4月1日は新しい年度の始まりであり、また、エイプリルフールでもある。「四月バカ」とも呼ばれる。ずっと昔からあるから歴史は長いのだと思うが、よく知らなかったので、エイプリルフールについて調べてみた。

●エイプリルフール
エイプリルフール(April Fools' Day) とは、毎年4月1日には嘘をついても良いという風習のことである。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつける期限を正午までとする風習があるが、それ以外の地域では一日中行われる。エイプリルフールは、日本語では直訳で「四月馬鹿」、漢語的表現では「万愚節」、中国語では「愚人節」、フランス語では「プワソン・ダヴリル」(四月の魚)と呼ばれる。(「Wikipedia」より)

同じ文献に「起源は不明」とある。いったいどこの誰がこんなことを始め、それが風習として定着していったのかは興味深いが、なかなか楽しい風習である。普段はよしとされない嘘をこの日だけは認めてあげて、堅苦しい現実の息抜きをしようとする試み。しかし、わたしには、過去にエイプリルフールにまつわる思い出がまったくと言っていいくらいない。また、この日を期して「よしっ。今日はエイプリルフールだ! 思い切りでかい嘘をついてやるぞ!」と意気込んで嘘をついたことがない。これはクリスマスなどと比べるとよくわかる。こういうイベントに参加することが著しく少ないわたしにも、クリスマスには一つや二つ思い出があるからである。つまり、我々日本人はエイプリルフールを積極的に盛り上げようとしていないのだと思う。新参者の「ハロウィン」の方がまだ盛り上げようとしているように感じる。

ところで、フランスではエイプリルフールを「四月の魚」と呼ぶと聞いて思い出す映画がある。ジーン・ハックマン主演の刑事映画「フレンチ・コネクション2」(1975年)である。この映画の冒頭、麻薬組織のボスを追ってフランスのマルセイユへやって来たアメリカのドイル刑事が警察署を訪ねると、フランスの警官たちが総出で鮮魚の腹を裂いている。魚の中に麻薬を隠したというタレコミがあったからだが、この日は4月1日。その情報はガセネタだったという落ちがつく。

いつもと同じ春だが、今年の春はいつもと違う。わたしたちは先が見えない霧の中にいる。

※魚。(「イラストレイン」より)