天使:「富士Sは距離をマイルに絞って復活を狙う2頭のG1馬に期待したけど4着、6着、完敗やったな。ちょっと人気になり過ぎやと嫌た牝馬のソングラインとロータスランド。さすがにソングラインは強かった。NHKマイルカップでシュネルマイスターのハナ差2着は本物。にしても選んだ6頭の中で来たんは2着のサトノウィザードだけやからな。予想は完敗や。菊花賞はタイトルホルダーのペースは速いけどマイペース逃げが見事にハマって、2,3着もオーソクレース、ステラヴェローチェ、人気の2頭か思たら牝馬ディヴァインラヴが3着。ステラヴェローチェの追い上げをハナ差凌ぎ切った。馬単5,220円だけのゲット。年間トータルは、馬単-41,570円、3連複+19,060円」
悪魔:「桜花賞15着と大惨敗してたソングライン。NHKマイルカップ2着、関屋記念3着でマイル重賞でそこそこ人気でもやれる牝馬とは思ったけど、ここは牡馬陣がかなり強力な感じがした。戦績に波はあるけど、底力はある・・・・・・復活したら、いう馬が多かった。初マイルのダノンザキッド、ワグネリアン、去年のこのレース2着馬ラウダシオンを含めてG1馬3頭。ザダル、アルジャンナ、前走重賞1番人気で惨敗した2頭、久々ダーリントンホール、3歳の逃げ馬バスラットレオンとかね。アカンかったね。ゴール前、なーんも響かへんかった」
僕:「ロータスランドが逃げてソーグリッタリングが番手、ボンセルヴィーソが追う展開。3ハロン35秒3でそう速くはないんだけど、ゴール前は差し比べの展開。中団から坂を上がって先頭に立ったソングラインの勝利。最後方から追い上げたサトノウィザードがクビ差の2着。2馬身空いて3着にも後方から脚を伸ばしたタイムトゥヘブン。3歳馬シュネルマイスターが毎日王冠でダノンキングリーを差し切ったように3歳馬のレベルを示した。ソングラインもそれに続いた形だね。復活をめざす牡馬陣が思いの外すぎたこともあるけどね。2着のサトノウィザードの『切れ味秀逸』は予想通り。タイムトゥヘブンとともに上がり2位だったソングラインが33秒9。条件戦、コース状態もあるとはいえ32秒台の上がりを4度も記録しているサトノウィザードは、33秒3。これからも差し脚の生きるコースでは脅威だろう。キストゥヘブンの仔タイムトゥヘブンはいろんな距離に挑戦しているが、桜花賞馬だった母と同じくマイルが最適なのかも。マイルに復活を求めたダノンザキッドもワグネリアンも、厩舎は落胆の色は見せていないが、実績からはもの足りなかったのは事実。明るい材料があるのは9カ月半ぶりの実戦で5着に突っ込んだダーリントンホールぐらいか」
天使:「ダーリントンホールは共同通信杯勝ち。4歳になるけどダービーからまだ2戦と使い込めてへんのがネックやけど、使い込めたら成長力に期待がかかる馬や。ほんで、日曜日は3歳長距離G1、菊花賞や。皐月賞馬、ダービー馬不在の中心的存在なしの戦い。結論から言うたら強かった実績馬。僅かに波乱を呼んだんは牝馬ディヴァインラヴや」
悪魔:「2019年に340㌔の『最軽量馬記録』を次々に塗り替える牝馬メロディーレーンが挑戦。牝馬だけやなく『最軽量』いう過酷さも乗り越えて、2着サトノルークスと最速タイの上がりでワールドプレミアに0.4秒差の5着。ほんと、大がんばりや。今年は2勝クラスを勝ったばっかりの牝馬ディヴァインラヴが挑戦。鞍上の福永祐一が菊花賞挑戦を言うたそうやけど、さすがに福永の助言いうても『牝馬に菊花賞は辛い』、外してんけどハナ差、3着にのこられてしもた」
僕:「古馬の天皇賞春・芝3200mでもカレンブーケドールが3着。強くなった牝馬は距離もこなすようになってきたのかも。侮れなくなってきたよね。もう『牝馬だから』は禁句かも。勝ったのは皐月賞2着のタイトルホルダー。奇しくも、牝馬、340㌔でがんばったメロディーレーンの半弟。あの小さなメロディーレーンが菊花賞であれだけがんばれるんだから、タイトルホルダーにとって距離3000mは適距離。前走、セントライト記念を1番人気13着は内に包まれて前に出にくい壁ができ、スムーズに事を運べない精神的ストレスが一番の敗因と判断した。鞍上・横山武史も思いは同じか。3番枠、スタートから押して押してハナを切った。何がなんでも先頭を行く作戦だ。3ハロン35秒1、1000m通過60秒0。10レース、3勝クラスの元町S・芝1600mが3ハロン36秒5、1000m通過59秒9だ。距離を考えるとタイトルホルダーの逃げはハイペース。最初の直線では後続を5馬身離した。向こう正面に入り後続も差を詰め、3馬身から2馬身、3コーナーではセファーラジエル、モンテディオがすぐ後ろ1馬身差に喰らいついたが、タイトルホルダーはマイペース。非常にしっかりした脚さばきで逃げていた。オーソクレースは中団後方、ステラヴェローチェは後方3番手。有力馬2頭がともに動き出したのはここからだった。軽快に逃げるタイトルホルダー。4コーナーに向けて外から先団をめがけて上がるオーソグレース、ステラヴェローチェ。鞍上・吉田隼人の手がかなり動くステラヴェローチェ、動きの緩慢さに『最終追い切りでの遅れ』がよぎった。直線に入って、一気に差を開いたのはタイトルホルダーだ。速いペースで逃げてきたことなど感じさせない力強さ。これは・・・・・・他の馬の追随を許さない。見るからに勢いに差があった。3馬身、4馬身、5馬身。2番手に上がって来たのは外の2頭、オーソクレース、ステラヴェローチェと思いきや。馬群の真ん中からオーソクレースよりいち早く出てきたのが牝馬のディヴァインラヴだった。直線半ば、ディヴァインラヴ、1馬身、オーソクレース、半馬身、ステラヴェローチェ。僅かな差が詰まる。当然、外の牡2頭。皐月賞3着、ダービー3着、前走は神戸新聞杯を差し切ったステラヴェローチェの切れ味が一番。思っても伸びない。ゴール寸前、オーソクレースがアタマ差、ディヴァインラヴを差し切って2着、3着はほとんど並んだ感じだがやや内のディヴァインラヴが優勢。その通りハナ差、ディヴァインラヴが残っていた。故障で春のクラシックを棒に振ったオーソクレースは、G1こそ獲れなかったが存在感は示した。そして、鞍上・福永が見抜いた通り見事な3着、牝馬ディヴァインラヴ。ステラヴェローチェは鞍上・吉田隼人が『デキの悪い中で見せ場はつくった』というように、やはり最終追い切りで遅れたのはデキに翳りがあったからだろう。追い切り時に『心配だ』のひと言があってもいいと思うが。なんといっても5馬身差、完全な勝利に持ち込んだタイトルホルダー。自らが危険とも思えるペースで逃げ、圧倒的な強さを発揮したことにまず『拍手喝采』。強い強い菊花賞馬だよ・・・・・・と言いたい。スタートからそれが最良と決め込んで、押して押して先頭を切った鞍上・横山武史の騎乗も褒めたいね。これで本当の『タイトルホルダー誕生』、見ごたえあった菊花賞だったね」
天使:「横山武史、父・横山典弘を超えるのはまだまだやけど、期待値はグッと上がったな。これも競馬の面白さ。今週は天皇賞秋。出てくるで~、コントレイル、グランアレグリアに3歳のエフフォーリア。楽しみいっぱいや。ほな、このへんで。ではでは」