天使:「富士Sは5頭出走の3歳馬。選んだんは1頭だけと古馬中心で行ったんやけど、2着にラウダシオンが来て、選んだ3歳馬1頭ではなかった。買い目予想は外れ。菊花賞はコントレイル1頭軸は当然としてやな、混戦の相手、確かに難しかったけど・・・・・・アリストテレスが、ホンマ、予想外に強かった。コントレイルと初対戦組やったけど、勝負付けが終わってない未知の馬。その存在感を思い知らされたな。今年の買い目予想は最悪パターンになりそうやな。がんばらんと。年間トータルは、馬単-75,490円、3連複-82,660円、3連単-129,970円」

 

悪魔:「富士Sは突き詰めたら全頭がマイナス材料が大きかった。全部消したあとから拾い上げた予想。積極的な期待が少なかったんが本音やったけど、結局、不安なところが表に出えへんかった馬が上位に来た・・・・・・という感じ。それでも、休み明けの調教過程がまだ不十分と思われたけど1,2着にきたヴァンドギャルドとラウダシオンは、さらに良化なるやろう次走に明るさを見せたんちゃう?」

 

 僕:「ヴァンドギャルドは4歳、マイラーズカップ3着から安田記念10着と壁にぶち当たったけど、休養を経て見事に成長を見せた。ただ、不安点が多かった馬の中での勝ちだけに、次が試金石だろうね。今回より良化するのは間違いないだろうけど。ラウダシオンは+16㌔。やはり重いか?と思ったけど、スタートも良く、我慢も効いて、離れているとはいえ速いペースの3番手で良く伸びた。さすがにNHKマイルカップでレシステンシアを捻じ伏せた力は本物か。当然、2走目の良化は期待できるはず。レースはスマイルカナにシーズンズギフトが競りかけ、2頭で3ハロン33秒8というハイペース。離れた3番手をラウダシオン。スタート2番手だったラウダシオンにとっては、ここで2頭を前に行かせて我慢できたのが大きかったね。スマイルカナ、シーズンズギフトにとってはこのハイペースは絶望的。スマイルカナ10着、シーズンズギフト12着を見てもわかる。外差し傾向の馬場で不安視していたが、輪をかけてのハイペースではこの結果は仕方なし。ケイアイノーテック、ペルシアンナイトは良く詰めて3,4着。クビ差は通った馬場の差。内を通った分、ペルシアンナイトの方がゴール前伸びきれなかった。それぞれに良さは出したが勝ち負けに及ばないのも事実。G1での経験値でここまで来た感じ、か。サトノアーサーは見せ場もなく9着。ここまで着順が下がるのは意外だが、もう6歳だし、重賞よりもオープンでの上位堅実だったことの事実を考えると、重賞での戦績に波が出るのは仕方ないか」

 

天使:「さぁ、話は菊花賞や。見事に無敗の『3冠馬』となったコントレイル。ホンマ、快挙に『おめでとう』やけど、危なかったな」

 

悪魔:「直線半ば、アリストテレスに並ばれかけた時は『負ける』って、正直、思たもんね。ようがんばったわ。やっぱり、『3000mの距離は合わない』いうのは本当やってんね」

 

 僕:「スタートから慎重だったね。スタートのいい馬。外からキメラヴェリテが行って、バビットが2番手。内枠なんで3番手でも行けそうだったけど控えて、レクセランス、ガロアクリーク、ダノングロワール、ディープボンドなどを行かせて中団前のグループ。同じ馬主ディープボンドの後ろを確保でひと安心、という感じ。1000m通過62秒2、3000mと内が荒れ気味の馬場を考えれば平均ペースか。ただ、鞍上・福永祐一にとって嫌気だったのは、鞍上・ルメールのアリストテレスが半馬身ほどの差でピタリと外から張り付いたこと。かなり、嫌だったと思うよ。向こう正面では口を割ってかかりかけていた。なんとか我慢して、ディープボンドが上がるのに合わせて進出。4コーナーではいつものように伸びるのを感じられたんだけど、同じように手応えよく外を上がって来たのがアリストテレス。いやいや、コントレイルを煽ってなお、外から並びかけて来れるのは相当な実力。態勢的にはアリストテレスの方が勝ちパターン。一旦並ばれてかけて、クビ差ほど出て、最後まで抜かせなかったコントレイル。3000mは適距離じゃないうえ、道中でかかるところも見せその消耗も大きいはず。それでも抜かせなかったところは、やはり『3冠馬』にふさわしい実力といえる。『3冠』に菊花賞が入っていなかったら、おそらくコントレイルは菊花賞を走らなかったと思う。無敗なんだから、適距離で勝負すると思うよ。でも、父ディープインパクトが獲った『3冠』に挑むことに、馬主も、調教師も価値を見い出していたんだと。3000m、何があるかわからない未知の距離。思わぬかかる面も見せ、直線並ばれる不安。ぶっちぎる強さじゃなく、負けない強さ。文句なしの『3冠馬』だと思うよ。3着サトノフラッグが2頭から3馬身半差。皐月・ダービーで対戦してきた馬たちとは、きっちり実力差は見せた。初対戦のアリストテレスの力が想像以上に凄かったというのもあるね。2勝クラスを勝ったばかりだったけど、3.4.0.1。2着が多くまだ完成されていなかった。父はスピードとパワーを秘めたエピファネイア(菊花賞を5馬身差の圧勝)、母父ディープインパクト、伯父にリンカーン、ヴィクトリーという良血。菊花賞で開花したというのも興味深いね。3着に入ったのはほぼ最後方から直線に賭けたサトノフラッグ。皐月・ダービーで自慢の切れ味を発揮できずにいたが、切れ味を引き出すことだけに賭けた、か?鞍上・戸崎圭太。前2とうにはとても届かないが、ゴール前一気に伸びてディープボンドを交わし3着。期待されていた馬だが、G1最後でようやく成果を見せた。ディープボンドはダービー、神戸新聞杯、菊花賞とコントレイルの先導役のように一歩前に行き、4コーナー積極的に押し上げ、直線もよく粘った。ダービー5着、菊花賞4着。立派な世代トップクラスの馬といえよう。長くいい脚を使えるので、古馬となって独自の戦法を形成すればもっと強くなるかも。外差し馬場とスタミナを生かして大外から3着争いにクビ、クビ差の5着だったブラックホール。スピード馬場には疑問を感じるが、長距離で末脚を生かせそうだ。2番人気に押し上げられ、『菊花賞の3000mなら』と鞍上・池添謙一が自信を漲らせていたヴェルトライゼンデだが、直線、伸びあぐね7着。コントレイルの後ろの位置を取り、理想の展開に見えたが、4コーナーではいち早く池添は手を動かさざるを得なかったという。それだけ進まない。手応えのなさ。血統的には長距離系だが距離が合わなかったのか?前走、熱発明けで好走した反動なのか?ちょっとわかりにくい敗退だったね。バビットは-12㌔。前走が+8㌔で太目だったということから、それほど心配することもなかったか。キメラヴェリテにハナを取られたが、離れた2番手で単騎先行の形。直線では粘りも見せれず10着。短距離系の牝系でもあったし、全馬外目を回ったとはいえ直線では外に持って行く余裕もなく、先行馬には辛い馬場であったことも否めない。不可解だったのはヴァルコスの走り。セントライト記念では後方から差したが5着止まり。母父ダンスインザダークで距離延びる菊花賞は期待する声もあった。これまで乗っていた三浦皇成が急病で乗り替わったのは岩田康誠。イン差しで定評のあるベテラン騎手ではあるが、外差し馬場、14番枠を考えると、まさかイン差しはすることはないだろうと見ていたら、スタート下げてインへ。さらに驚いたのは、1周目の直線、各馬がインから5頭分ほど外を回る中、ただ1頭列を外れてインを疾走。位置を上げようとしているのだ。確かに前に馬がいないからスピードアップは自由。だけど、芝は傷んで走りづらい内の馬場。他の馬が走っていないのも当然。スタミナロスになるわけだから。距離得をするために、一か八かコーナーで最内を回る光景はたまに目にする。だが、直線を走るのに距離得はない。コーナー手前で外に持って行くそぶりを見せるが、誰も入れてはくれないのも当然。隊列の内に潜り込むのが精一杯。確かにコントレイルの内までポジションは上げられたが、それがどうだったのか?疑問ばかり。結局、目立ったのは1周目の直線、『ただ1頭、内を走るヴァルコス』と実況で語られただけで、ラストは伸びもせず下がりもせず、8着でフィニッシュ。岩田康誠といえば地方から中央の騎手になり、多くのG1を勝利している名手。素人が騎乗を批判できるわけもないんだが、ただ、不可解なのは事実。ヴァルコスにとって菊花賞は一生一度のチャンス。スタミナある馬、外差し馬場になって7枠14番、まさに『好機到来』。ベテランであればあるほど、馬にとって一番いい戦法を実行してほしかった」

 

天使:「ま、そやな。素人が口出しすることやないかもしれんけど、馬にとったら、自分が走りやすいように誘導してくれるんが一番やからな。なんもしんどいボコボコの馬場を走ることを喜ぶ馬はおれへんわな。ま、今回はいろいろあった菊花賞や。今週は天皇賞秋。登録は12頭と少ないけど、アーモンドアイ、クロノジェネシスの『強い牝馬』の登場。牡馬も錚々たるメンバー。ただ、頭を悩ますのがぶっつけばっかり。前哨戦を使ぅてくれへんと、ホンマ、デキは想像でしかあらへん。難しいわ。ま、そういうことで。ほな、ではでは」