牡馬にも負けない、『強い強い牝馬』をめざして有馬記念を走るブエナビスタ。

 

ジャパンカップ2着降着の屈辱を晴らすためにも、負けたくないッ、一戦だった。

 

 

 

対する牡馬勢。

 

最大の敵となるのは3歳『黄金世代』。

 

 

ジャパンカップ、繰り上がり1着とはいえ覇者となったローズキングダムは、レース前日になって疝痛のため出走取消。

 

それでも、

 

休養回避したヒルノダムールを除いたダービー集結時の精鋭が勢ぞろいした『黄金世代』。

 

ブエナビスタ、最強のライバルたちと言って過言ではなかった。

 

 

 

ジャパンカップ3着ヴィクトワールピサ。

 

皐月賞1着、ダービー3着。凱旋門賞に挑戦、7着。

 

遠征の疲れが危惧されたがジャパンカップは3着に健闘。

 

ブエナビスタと2度目の対戦。

 

鞍上にミルコ・デムーロを迎え、狙うは、打倒ブエナビスタ。

 

 

 

4戦4勝、世代№1の呼び声もかかったペルーサ。

 

ダービーで痛恨の出遅れ、6着。

 

毎日王冠5着、天皇賞秋2着、ジャパンカップ5着、すべて出遅れた。

 

 

出遅れながらも天皇賞秋2着に突っ込んだ豪脚。

 

それでは、ブエナビスタには勝てない。『黄金世代』の№1にはなれない。

 

 

個を殺してでも・・・・・・スタート練習に費やされた時間、苦でしかなかった。ペルーサの心は、折れないのか?

 

完璧なペルーサでないと勝てない相手。致し方ないことだった。

 

 

 

皐月賞3着。ダービーを勝ったエイシンフラッシュ。

 

菊花賞を筋肉痛で回避。

 

乱れたローテーションのまま出走したジャパンカップは8着敗退。

 

取り戻せるか?本来のエイシンフラッシュ。

 

 

 

NHKマイルカップを日本レコードで制したダノンシャンティ。

 

ダービーはレース前日に骨折。無念の回避となった。

 

骨折明け、何とか間に合った有馬記念。

 

本調子とは言えなくても、ダノンシャンティには、何としてでも走りたかった・・・・・・集結した『黄金世代』とともに。

 

 

 

エアグルーヴを母に持つルーラーシップ。

 

ダービー5着。まだ本格化ならずの『超良血』。

 

使い込めない点も成長を遅らせたか?

 

12月、ダービー以来の鳴尾記念を2着ヒルノダムール、3着リルダヴァルとともに3歳でワンツースリー。

 

『黄金世代』の強さを証明して、いざ、有馬記念へ。

 

 

 

トゥザヴィクトリーの仔、トゥザグローリーもまた『良血』を持て余していたか?

 

ダービー7着、マイルチャンピオンシッップ7着。

 

生かし切れない『良血』。

 

12月・中日新聞杯1着、重賞初勝利。2着コスモファントム、3着ゲシュタルト。3歳馬のワンツースリー。

 

本格化への糸口をつかんだか?

 

 

重賞では3歳馬を買っていればいい・・・・・・とまで言われるようになった『黄金世代』。

 

有馬記念では14番人気、忘れられた存在。

 

『黄金世代』の一員である秘められた実力は、爆発する時を待っていた。

 

 

 

 

 

古馬の意地に懸けて、ブエナビスタに相対するのは、前年の覇者ドリームジャーニー6歳。

 

菊花賞馬オウケンブルースリ5歳。春全休の鬱憤を晴らすか?

 

ブエナビスタを宿敵とする同世代牝馬レッドディザイア4歳。アメリカ遠征帰り(アメリカG13着、4着)の初戦で登場。

 

2度の休養を挟んで復活を見せるトーセンジョーダン4歳。3連勝でアルゼンチン共和国杯を制し、G1初挑戦。

 

菊花賞2着フォゲッタブル4歳。母エアグルーヴ、ルーラーシップの半兄だ。

 

 

 

 

12月26日、有馬記念。

 

1.ヴィクトワールピサ

2.ネヴァブション

3.フォゲッタブル

4.トーセンジョーダン

5.ルーラーシップ

6.ローズキングダム    出走取消

7.ブエナビスタ

8.メイショウベルーガ

9.ダノンシャンティ

10.エイシンフラッシュ

11.トゥザグローリー

12.ドリームジャーニー

13.オウケンブルースリ

14.ペルーサ

15.レッドディザイア

16.ジャミール

 

 

1番人気ブエナビスタ、2番人気ヴィクトワールピサ、3番人気ペルーサ。

 

4番人気ドリームジャーニー、5番人気エイシンフラッシュ。

 

 

 

逃げ馬不在のレース。さて何が逃げるか?

 

ゲートが開いて、ハナを切ったのはトーセンジョーダンだった。

 

 

2番手につけたのは、ナント、オウケンブルースリだ。

 

3番手トゥザグローリー、4番手内に入ったのがヴィクトワールピサ。

 

その外につけたのが、ペルーサだ。

 

 

出遅れなかったペルーサ。鞍上・安藤勝己、努力が実った。

 

 

ネヴァブション、フォゲッタブル、中団勢の中に、

 

外から上がってきたのはルーラーシップ。

 

 

中団後ろにエイシンフラッシュ。

 

その後ろに続いたのがブエナビスタだ。

 

 

マークするようにドリームジャーニー、ダノンシャンティ。

 

最後方が、レッドディザイアだ。

 

 

 

トーセンジョーダンのペース。

 

軽快に逃げる。

 

 

向こう正面で仕掛けたのはルーラーシップだった。

 

外から上がりを見せ、前を窺った。

 

 

合わせたのはヴィクトワールピサだ!

 

前に、前に、トーセンジョーダンの2番手まで上がって4コーナーを迎えた。

 

 

3番手にトゥザグローリー。

 

4番手、外から上がってきたのは、ヴィクトワールピサに行かせて、一旦は控えたルーラーシップだ。2弾仕掛け。

 

 

ブエナビスタは、まだ後方にいた。

 

 

 

直線、粘るトーセンジョーダン。

 

先ず差したのはヴィクトワールピサ。

 

 

海外帰り2走目、万全の状態。

 

躊躇なく先頭に立った。

 

 

内から伸びようとするのは、出遅れなかったペルーサ。

 

本領発揮か!

 

 

だが、伸びが甘い。

 

 

鋭くのいたのは、トゥザグローリーだ!

 

14番人気も、母からもらった『良血』。

 

 

一気に爆発だッ!

 

 

外から伸びようとするのはルーラーシップ。

 

『黄金世代』の上位独占か?

 

 

思われた時、

 

飛んできた!

 

 

ブエナビスタ。

 

 

どんな時も、

 

どんな相手でも、

 

負けるわけにはいかない!

 

 

『強い強い牝馬』。

 

 

鬼脚炸裂、

 

 

アッという間に、ヴィクトワールピサに迫った。

 

 

 

バテてはいない、伸びるヴィクトワールピサ!

 

懸命に並びかけるトゥザグローリー!

 

鬼のように迫るブエナビスタ!

 

 

 

3頭が、火花を散らしてゴール!

 

 

わずかに、クビ遅れたトゥザグローリー。

 

写真判定となったヴィクトワールピサ、ブエナビスタ。

 

 

その結果は、

 

ハナ差、

 

わずかでも、勝っていたのは、

 

 

ヴィクトワールピサだった。

 

 

『黄金世代』の強さ。

 

 

1着ヴィクトワールピサ

ハナ

2着ブエナビスタ

クビ

3着トゥザグローリー

4分の3馬身

4着ペルーサ

1馬身半

5着トーセンジョーダン。

 

 

(つづく)