秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ。

 

春のマイル王、安田記念の1着アグネスデジタル、2着アドマイヤマックス、3着ローエングリン。

 

アグネスデジタル、ローエングリンは天皇賞秋へ出走。アドマイヤマックスはスプリンターズS3着のあと香港マイルに出走を決めた。

 

春の上位馬が消えたが、新しいマイルのヒーロー、ヒロイン候補が現れ、春とは違った盛り上がりを見せた。

 

 

 

 

父トニービン、母ゴールデンジャックというサイドワインダー。

 

母ゴールデンジャックは重賞2勝、オークス2着。

 

 

4歳11月、16戦目。条件馬の身で京阪杯を勝利。

 

年明けの5歳、京都金杯を勝ち重賞連勝。本格化なった矢先に、故障。

 

10月に富士Sで復帰。ミレニアムバイオの2着して、マイルの切れ味健在ぶりを見せた。

 

 

母ゴールデンジャックが獲れなかったG1。階段を一歩一歩駆け上がって、やっと獲れるかもしれない・・・・・・その位置に来たサイドワインダー。

 

母の思いも込めて、走るッ。

 

 

 

 

武豊に『怪物や』といわせた馬、ファインモーション。

 

5戦全勝で秋華賞を獲り、6戦全勝でエリザベス女王杯を制した。

 

有馬記念、1番人気でシンボリクリスエスの5着に敗れ、8カ月ぶりのクイーンSでオースミハルカの2着に敗れ、毎日王冠ではバランスオブゲームの7着に惨敗した。

 

『怪物』はどこに行った。

 

何かが違っていた。気性難が見え始めたか? レースぶりに落ち着きがない。

 

大丈夫なのか?『怪物』ファインモーション。

 

 

 

 

前年安田記念3着のミレニアムバイオ。レース後、右前浅屈腱炎発症。

 

11カ月も戦列を離れざるを得なかった。復帰後、都大路S4着、安田記念11着。

 

復活が難しいといわれる屈腱炎。ミレニアムバイオも屈腱炎地獄に落ちるのか?

 

7月、九州・小倉の地、北九州記念で勝利。9月、京成杯オータムハンデは5着。

 

10月、富士Sをレコード勝ち。

 

 

甦ったミレニアムバイオ。サンデーサイレンスのスピードでマイルを突き抜ける!

 

 

 

 

4歳で重賞4勝、バランスオブゲーム。

 

父はダービー馬フサイチコンコルド。祖母ベルベットサッシュの全兄にサッカーボーイ、全妹ゴールデンサッシュの仔にはステイゴールド。素晴らしい牝系。

 

勝てないのはG1だけ。

 

最も辛いことか?

 

ファインモーションが暴走した毎日王冠を勝ち、6度目のG1へ臨む。

 

 

 

 

いつも後方一気。それしか考えないデュランダル。

 

1200m、スプリンターズSでも、その恐ろしいまでの切れ味で差し切った。

 

 

1200m戦6戦4勝、2着1回、3着1回。本質はスプリンターだったのか?

 

距離に懸念。払拭してこそ王者。

 

人々の不安のなかで、マイル王をめざす。

 

 

 

 

2歳チャンプ、朝日杯の覇者エイシンチャンプ3歳。

 

NHKマイルカップを制覇したウインクリューガー3歳。

 

NHKマイルカップの覇者なら、2000年イーグルカフェ、2002年テレグノシス。

 

 

その誇りにかけて・・・・・・マイルG1馬たち。

 

 

 

11月23日、マイルチャンピオンシップ。

 

1.オースミコスモ

2.サイドワインダー

3.ギャラントアロー

4.テイエムサンデー

5.スペシャルカルドゥーン

6.ウインクリューガー

7.マグナーテン

8.イーグルカフェ

9.ロサード

10.バランスオブゲーム

11.デュランダル

12.トゥスール

13.ミレニアムバイオ

14.エイシンチャンプ

15.イルバチオ

16.マイソールサウンド

17.テレグノシス

18.ファインモーション

 

 

1番人気サイドワインダー、2番人気ファインモーション、3番人気ミレニアムバイオ。

 

4番人気バランスオブゲーム、5番人気デュランダル。

 

 

大外から好スタートを切ったのはファインモーションだったが、

 

内からギャラントアローが即座にハナを切った。

 

 

マグナーテンが続き、ウインクリューガー、オースミコスモ、バランスオブゲームが行った。

 

エイシンチャンプ、外国から参戦のスペシャルカルドゥーン。

 

内から、いつもより早めに行くサイドワインダー。

 

その馬群の外につけたのがファインモーションだ。

 

 

スタートの良さに惑わされず、ムキにならないファインモーション。

 

鞍上・武豊は、久々に好感触を持った。

 

『強いファインモーションを見せられる』

 

 

中団につけたミレニアムバイオ、イーグルカフェ。

 

後方にテレグノシス。

 

馬群の後ろから行くのが、例によってデュランダルだ。

 

 

そして、馬群から1頭離れて行くのがロサード。

 

『薔薇一族』。重賞5勝、7歳。G1最後の戦いか?

 

 

 

飛ばすギャラントアロー、2番手マグナーテン。

 

3,4コーナー、7馬身の差で後続を離した。

 

 

後続も詰めるが、縮まらない!

 

 

直線、先頭ギャラントアロー、2番手マグナーテン。

 

後続との差は、まだ5馬身。

 

 

届くのかッ?

 

懸命に詰める馬群。

 

 

マグナーテンが力尽きた。

 

代わって上がったバランスオブゲーム。

 

 

逃げるギャラントアロー。

 

 

大外から一気に伸びた!

 

ファインモーションだッ!

 

 

さらに、その外。

 

炸裂した。

 

 

 

究極の切れ味。

 

後方2番手から、矢のように伸びた。

 

 

デュランダルだ!

 

 

伸びるファインモーションに追いつき、

 

さらに2頭でバランスオブゲームを抜き去り、

 

ギャラントアローをも差した!

 

 

ついには、

 

ファインモーションを抑え込んだデュランダル。

 

 

スプリント王に加え、

 

マイル王として、ゴールを駆け抜けた。栗毛色、黄金に輝くデュランダル。

 

 

抒情詩『ローランの歌』、英雄ローランが持つ聖剣デュランダル。

 

聖剣一閃、直線だけで16頭をナデ斬った。

 

 

1着デュランダル

4分の3馬身

2着ファインモーション

1馬身4分の1

3着ギャラントアロー

クビ

4着バランスオブゲーム

半馬身

5着ミレニアムバイオ

 

 

(つづく)