メジロラモーヌ以来、史上2頭目の『牝馬3冠』を果たしたスティルインラブ。

 

続けるか! 皐月賞・ダービー、クラシック『2冠』ネオユニヴァース。

 

 

1941年セントライト、1964年シンザン、1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフ、1994年ナリタブライアン・・・・・・史上6頭目の快挙、『3冠馬』に挑む。

 

 

サンデーサイレンス産駒ネオユニヴァース。

 

新馬勝ちし、2戦目の中京2歳Sは3着に敗れたが、その後、5連勝で皐月賞・ダービーを勝ち『2冠馬』となった。破竹の勢い。

 

ダービー後、3歳クラシック馬として異例の宝塚記念出走。

 

さすがに古馬相手は厳しかった。4着と敗れる。

 

 

『3冠』に向けて休養。

 

秋初戦は菊花賞トライアル・神戸新聞杯。

 

 

『3冠』を阻止すべく、トライアルに集結した世代有力のサンデーサイレンス産駒。本番前のトライアルながら激烈な戦いとなった。

 

1番人気は武豊が札幌記念から手綱を取るサクラプレジデント。『サクラ』軍団の復興を担うサンデーサイレンス産駒。皐月賞2着、ダービー7着。札幌記念で古馬の強豪エアエミネムを打ち破り、改めて強さを証明。

 

2番人気に甘んじたのが『2冠馬』ネオユニヴァースだった。

 

3番人気がダービー2着ゼンノロブロイ。藤沢和雄厩舎の秘蔵っ仔。体質が弱くじっくり育て上げられ、4戦3勝、3着1回。ダービーがクラシック初挑戦だった。遅れてきたサンデーサイレンスの大物。鞍上はケント・デザーモ。

 

4番人気は、サンデーサイレンス産駒ダンスインザダークを父にもつザッツザプレンティ。2歳時、ラジオたんぱ杯2歳Sを勝ち、名を馳せた。皐月賞は8着と敗れ、ダービー3着。距離延びてこそ、と言われたが、2000m神戸新聞杯で世代最強・サンデーサイレンス産駒たちに挑む。

 

5番人気がリンカーンだ。父サンデーサイレンス、母グレースアドマイヤはトニービン産駒の良血。母の半兄がダービー馬フサイチコンコルド、半弟にダービー4着のボーンキング、2006年に生まれてくる半弟がアンライバルドだ。新馬戦2着、2着のあと3連勝。初クラシックのダービーは8着も、秋に最も成長する馬・・・・・・といわれた。神戸新聞杯から手綱を取るのが横山典弘だ。

 

 

直線、5頭の叩き合いとなり、3馬身半の差をつけて完勝したのがゼンノロブロイ。

 

2着サクラプエジデント。

 

ネオユニヴァースは3着、4着リンカーン、5着ザッツザプレンティとなった。

 

 

『3冠馬』を狙う『2冠』ネオユニヴァース。

 

現実は、決して『1強』ムードではなかった。

 

 

 

 

セントライト記念を勝ったサンデーサイレンス産駒ヴィータローザ。半姉にロゼカラー、全兄にロサードがいる『薔薇一族』の1頭。

 

 

セントライト記念3着の『長距離はお任せ』は、マヤノトップガン産駒チャクラ。

 

 

シンザン記念2着、きさらぎ賞3着の1勝馬。ダンスインザダーク産駒はマッキーマックス。

 

 

展開に乱れがあれば、いつでも突っ込んで見せるッ!秘かなる野望を抱く面々。

 

 

 

10月26日、菊花賞。

 

1.ニシノシンフォニー

2.リンカーン

3.サウスポール

4.ゼンノロブロイ

5.トリリオンカット

6.マーブルチーフ

7.ペルフェット

8.ザッツザプレンティ

9.コスモインペリアル

10.サクラプレジデント

11.マイネルダオス

12.シルクチャンピオン

13.チャクラ

14.テイエムテンライ

15.アスクジュビリー

16.ヴィータローザ

17.ネオユニヴァース

18.マッキーマックス

 

 

1番人気ネオユニヴァース、2番人気ゼンノロブロイ、3番人気サクラプレジデント。

 

4番人気リンカーン、5番人気ザッツザプレンティ。

 

 

サウスポールが内から好スタートを切ったが、

 

外からシルクチャンピオン、テイエムテンライが被せるように上がって行った。

 

 

最初のコーナーを回って先頭、3馬身のリードを取っていくのがシルクチャンピオン。

 

2番手にテイエムテンライ、3番手に上がってきたニシノシンフォニー。

 

サウスポール、マイネルダオスが行く。

 

 

ゼンノロブロイが6番手。有力馬で一番前につけた。

 

鞍上はデザーモから、オリビエ・ペリエに替わっていた。

 

 

中団、内にはリンカーン、外にザッツザプレンティ。

 

ヴィータローザ、コスモインペリアルが続き、

 

その後ろにサクラプレジデント、ネオユニヴァースが並んだ。

 

 

後方から行くのは、マッキーマックス、チャクラ。

 

長距離戦、末脚にかける。

 

 

早くも、縦長の展開となった。

 

1000m通過60秒6。芝3000m、ペースは流れた。

 

 

 

3コーナー手前、ザッツザプレンティが動いた。

 

地方から来た安藤勝己。地方になかった長距離戦、腕が問われる一戦。

 

早仕掛けに、賭けた!

 

 

呼応したのは、後ろで溜めていたネオユニヴァースだ!

 

皐月賞・ダービーを獲り、特例が認められ日本へやってきたミルコ・デムーロだ。

 

 

ネオユニヴァースの動きが、流れを一気に変えた。

 

ヴィータローザが動き、

 

後方からマッキーマックス、チャクラ、外の馬がグングン上がって行った。

 

内を通るゼンノロブロイが前を塞がれ、下がった。

 

リンカーンも、サクラプレジデントも・・・・・・行き場がない、下がるしかなかった。

 

 

 

怒涛の流れの中で、4コーナーでは先頭に立ったザッツザプレンティ。

 

外に続いたのは、ネオユニヴァースだ!

 

迫力で、ザッツザプレンティに取り付いた。

 

 

直線の攻防。

 

 

先頭に立ったザッツザプレンティ。

 

『3冠』をかけて、追い迫るネオユニヴァース。

 

 

2頭を追った、マッキーマックス。

 

 

後方から、行き場のない内から外に持ち出したリンカーンが飛んできたッ!

 

馬群を割ったのは、ゼンノロブロイだ!

 

 

あと少しだッ、がんばれ、がんばれッ!

 

ザッツザプレンティ、安藤勝己のムチが飛ぶ。

 

 

懸命に、懸命に迫るネオユニヴァース!

 

 

外から一気に差した豪脚、リンカーン。

 

ネオユニヴァースをとらえ、

 

ザッツザプレンティを追いかけたッ!

 

 

そこがゴールだった。

 

 

サンデーサイレンス産駒たちの猛追を防いだ。

 

菊花賞馬ダンスインザダークの息子、ザッツザプレンティ。

 

 

サンデーサイレンス、息子の息子。『サンデー』エピソード2の始まり。

 

 

1着ザッツザプレンティ

4分の3馬身

2着リンカーン

クビ

3着ネオユニヴァース

2馬身

4着ゼンノロブロイ

半馬身

5着マッキーマックス

 

 

(つづく)