11月3日、菊花賞。

1.ナカノハヤテ
2.シンホリスキー
3.フジアンバーワン
4.イイデサターン
5.ナイスネイチャ
6.マチカネヒオドシ
7.キョウワユウショウ
8.イブキマイカグラ
9.シャコーグレイド
10.フジヤマケンザン
11.ブレエトワール
12.ロングタイトル
13.ホクセイシプレー
14.ワンモアライブ
15.イイデセゾン
16.ヤングシゲオー
17.サクラヤマトオー
18.レオダーバン


1番人気イブキマイカグラ、2番人気ナイスネイチャ、3番人気レオダーバン。

4番人気キョウワユウショウ、5番人気シャコーグレイド。


『2冠馬』トウカイテイオーがいない菊花賞。

1番人気はダービー2着馬レオダーバンではなく、イブキマイカグラだった。


阪神3歳Sを勝って西のチャンとなったイブキマイカグラ。トウカイテイオーの出現で皐月賞2番人気。負けん気は並みはずれていたた、だが4着。

NHK杯を最後方から15頭ゴボウ抜きの離れ技、ダービーこそ、意気込んだが骨折。

菊花賞こそ・・・・・・だが、トウカイテイオーはいなかった。


いつかやってくるトウカイテイオーとの再戦。その時に、胸を張りたい。トウカイテイオーに言えるように・・・・・・菊花賞馬だと。

イブキマイカグラ、思いはレオダーバンと同じだった。



内からフジアンバーワン15番人気、中からフジヤマケンザン8番人気が飛び出して、2頭が引っ張る形。

外からホクセイシプレー17番人気、内のシンホリスキー8番人気。

伏兵陣が、こぞって前に出た。


中団前、外々を行くレオダーバン、岡部幸雄がガッチリ手綱を引いた。


レオダーバンの後ろをシャコーグレイド。

ナイスネイチャが11番手。

13番手にキョウワユウショウ、イイデサターン。

最後方に3頭、イイデセゾン、ナカノハヤテ、そして、イブキマイカグラだ。

自分のパターン、自分の形で、『菊』を獲る。



1周目の正面スタンド前、

外から一気に先頭を奪ったのは、ホクセイシプレーだった。


フジアンバーワン、シンホリスキー、そして、フジヤマケンザン。

入れ替わる先行陣。


レオダーバンは動かない。

レオダーバンも・・・・・・自分の形を貫く。



向こう正面。

先頭ホクセイシプレー、続くフジワンマンクロス、シンホリスキー。

マチカネヒオドシが内から4番手、下げたフジヤマケンザン。


最後方から、ナカノハヤテ18番人気が動いた。

外を一気の上がりを見せた。

動いて何とか突破口を。思い切った騎乗、捨て身の作戦、すべての馬が・・・・・・狙う、てっぺん。


3コーナーをめがけて、中団馬群が一気に凝縮した。


前へ、フジヤマケンザンが加速、レオダーバンも、動いた。


後方から、馬群をかき分け上がるナイスネイチャ。秋一番の上り馬。

勢いで・・・・・・『てっぺん』を獲るッ!


イブキマイカグラも、馬群を縫う。



流れは急流となり、4コーナー直線入り口へと、飛び込んだ!


直線、先頭は、シンホリスキー。

すぐ外を、フジヤマケンザン。


レオダーバンが、すぐそこに来ていた。


シンホリスキーを交わし去って、先頭に躍り出たフジヤマケンザン。


勝てるかもしれないッ!


思いを打ち砕くか?

レオダーバンが並びかけてきた。


懸命にムチを振るうフジヤマケンザン鞍上・小島貞博。

レオダーバン・岡部は、後ろの気配と両睨み。


後方から、馬群をかき分け上がってきたイブキマイカグラ、ナイスネイチャ。

まだ、前にいた。レオダーバン、フジヤマケンザン。


さらに、さらに前をめがけてギアを上げたイブキマイカグラ!

負けてられない、ナイスネイチャもフルパワー、追いすがる!


感じ取ったか? 岡部がレオダーバンの最後の力を爆発させた。



一気にフジヤマケンザンを突き放したレオダーバン!


イブキマイカグラは、フジヤマケンザンを捕えるのが精一杯だった。



勝った、レオダーバン。


菊花賞馬として、高々とトウカイテイオーに挑戦状を掲げた!

いつか、いつかの再戦を誓って。


1着レオダーバン

2着イブキマイカグラ

3着フジヤマケンザン

4着ナイスネイチャ

5着シャコーグレイド


(つづく)