7月17日、京都新馬戦、芝1200mに出走するコーダリー。

父アグネスタキオン、母キュンティア。母の父ダルシャーン。



新馬戦、すべての若駒たちのあすが、ここから始まる。


1頭、1頭に、それぞれの歴史が刻まれていくわけだ。


いまは、真っ白なはず。


だのに、われわれは、そこに過去の歴史を重ねてしまう。


ごめんよ、コーダリー。



母キュンティアは新馬勝ち、いきなり阪神3歳(現表記2歳)牝馬S・G1に出走。

シンコウノビー、サラトガビューティを相手に、後方から追い込みアインブライドの2着。


その愛らしい馬名とともに人気を博した馬だった。

冠も、重賞も獲れなかったが、エリモエクセル、マルカコマチとともに走った。

NHKマイルCでは、エルコンドルパサー、トキオパーフェクト、マイネルラヴ、シンコウエドワードら牡馬に交じって、走った。



姉オディールは悲しい馬だった。

クロフネを父にもち、2歳時にファンタジーSで重賞制覇。

阪神ジュベナイルフィリーズでは1番人気、4着。


3歳牝馬クラシック戦線を賑わした馬だった。

桜花賞12着、オークス5着、秋華賞9着。戦績は振るわなかったが、話題の中心にいた。

4歳になり、条件に落ちたが、夏の小倉で1年9か月ぶりの勝利。


オープン復活をめざして臨んだ道頓堀S。

ゴール直前、ガクンッと2度、バランスを崩した。

騎手・太宰は追うのを止め、5着入線。


左第1指関節開放性脱臼発症、予後不良だった。


走り切らねば、太宰を振り落したら、直線だけに大事故になっていた。

耐えて、走り切ったのか? 


わからない。



ただ、



姉オディールへの人々の想いが・・・、



母キュンティアへの思慕が・・・、



いま、コーダリーへ注がれる。




君の真っ白な歴史、



人々は、わかっていても、想いを塗りこめてしまう。



君は、君だ。



わずらわしく思うことがあるかもしれない。



でも、応援する心に、


無事で走って、と祈るこころに、




ウソはない。





わかっておくれ。