どうにもなってしまったドモナラズ。

昨年の七夕賞。



父アフリート、母アンプルカット。母の父ナリタハヤブサ。

父ナリタハヤブサはメジロライアン、アイネスフウジン、ハクタイセイと同期。

スプリングS2着、ペガサスS2着、きさらぎ賞3着などあるが、芝では1勝のみの馬だった。

蹄に脆さがあり芝では大成できず、負担の少ないダートに転向。素質を開花させた。

初ダート、ウインターSでレコード勝利。続くフェブラリーハンデキャップ(現在のフェブラリーS)もレコード勝ち。JRA最優秀ダートホースを受賞したダートの強豪。

引退して種牡馬となったが、種付け頭数もわずかで活躍馬も少なかった。唯一、繁殖牝馬として血を残したのが、ドモナラズの母アンプルカットだった。

ナリタハヤブサのダート適性に合わせて、ダートに秀でた種牡馬アフリートが選ばれ、生まれたのがドモナラズであったわけだ。



珍名で知られる小田切有一氏の所有となり、ドモナラズと名付けられたが、真意は「どうにもならない」ではなく、丹後弁の「どうしようもない腕白者」。

やんちゃすぎて仕方がない、ということか?

やんちゃの陰にキラリ光る素質を小田切氏は見ていた。



2007年、10月。新馬デビュー。ダート戦2着だった。

2008年、4着、8着のあと未勝利脱出。10着、14着、10着、12着、すべてダート戦。

2009年、2月、初芝1800mを走ると、7番人気をものともせず勝ってしまった。


芝からダートへ路線変更した母父ナリタハヤブサ。ドモナラズはダートから芝へと路線変更。

以後、戦場はすべて芝となった。


芝となって1着、5着、1着、7着、5着、11着、1着、13着、7着、11着。


2010年、11着、12着、1着、17着、12着、10着、11着、4着。


負ける時は圧倒的に多い二桁着順。まさにドモナラナイ状況から勝利をつかむ。

それがドモナラズの真骨頂。


2010年、7月11日。七夕賞。

16頭立て11番人気。


サンライズベガ、バトルバニヤン、サニーサンデー、トウショウシロッコ・・・、

人気馬が好位、中団にひしめくなか、


最後方に陣取ったのが、ドモナラズだった。

それまで先行・好位タイプのドモナラズ、乗り替わり鞍上・柴田善臣は末脚に賭けた。


見事にハマった。


4コーナー15番手から、福島の短い直線を、ドモナラズは吹っ飛んできた。

重賞初勝利。



以降、11着、11着、7着、11着。


2011年、11着、12着、6着。


相変わらずのドモナラズぶり。

二桁着順を重ねながらも元気いっぱい。



勝利から遠ざかって1年。

再びの七夕賞。


キャプテントゥーレ、サンライズベガ、ダンツホウテイ、アニメイトバイオ、シャドウゲイト・・・、


ドモナラズじゃ、ドモナラナイ?



やんちゃな少年は大人になってもやんちゃ。


すっとぼけて、すっとぼけて、



いつか、



アッと驚くマジ走り。