天使:「今年の天皇賞春は異質な『2強』の対決やな。1頭は新馬戦3着から未勝利戦を勝って、5連勝で菊花賞までぶっこ抜いてしもたドゥレッツァ4歳。言うたら『素質の塊』。もう1頭はテーオーロイヤルや。3歳末に3勝クラスを卒業、4歳にダイヤモンドSを勝って天皇賞春3着。G1に明かりが見えたけど、苦戦が続き、ジャパンカップは無残な14着。右後肢骨折でほぼ1年の休養。アルゼンチン共和国杯10着のあと、ステイヤーズS2着、ダイヤモンドS1着、阪神大賞典1着。6歳にして長距離部門のトップクラスに。言うたら『努力の達人』?かな。ホンマ、どっちも強いねんけど、強い『本質』が違うねんな」
悪魔:「ドゥレッツァは毎年G1馬を送り出すノーザンファーム産。馬に合わせて育てられ、未勝利戦から走れば勝つで、初めてのG1菊花賞でもタスティエーラ(皐月賞2着・ダービー1着)、ソールオリエンス(皐月賞1着・ダービー2着)を相手に、3馬身半差・2着タスティエーラ、1馬身半差・3着ソールオリエンスと、世代トップクラスに完勝。とんでもない素質と言うほかないよね。テーオーロイヤルも、これまた違う意味で応援したい馬やねぇ。3歳時は重賞に縁はなく、4歳、長距離重賞でようやく頭角を現したんよね。ダイヤモンドSを勝って、天皇賞春3着。ただ、3000m以下の距離の重賞はダメで、骨折で1年近く休むことになり、復帰戦はアルゼンチン共和国杯10着。絶望的やったかもね。でも、復活した。前走の阪神大賞典なんかは、2着ワープスピードに5馬身差やからね。距離3000m以上の重賞では3.1.1.0。ホンマ、長距離では強い」
僕:「いま、行われている長距離重賞で圧倒的強さを見せているのはテーオーロイヤル。脚質も好位から確実に差して来るので、展開の不安点もないし、中心でいいだろう。 ドゥレッツァは菊花賞を勝ったあと、4歳始動戦は3月の金鯱賞・芝2000m。勝ったプログノーシスには5馬身差と大きく開けられたが、2着は確保。距離を考えれば、始動戦としてはまずまずの結果といえるか。2走目の良化、外せない存在か。 後に続くのが、正直、難しいところ。実績だけなら皐月賞2着、ダービー1着、菊花賞2着のタスティエーラ。ただ、同世代を戦って来たソールオリエンスとともに世代レベルを低く見られがち。大阪杯、ソールオリエンス7着、タスティエーラ11着は、その象徴ともいわれている。それでも世代のダービー馬、軽くは扱えないだろう。タスティエーラにとっても今回が正念場。期待したい。 牝馬でも・・・・・・というのが、ダイヤモンドSでテーオーロイヤルのクビ差2着となったサリエラ。全姉にサラキア(エリザベス女王杯2着・有馬記念2着)、半兄にサリオス(朝日杯フューチュリティS1着・皐月賞2着・ダービー2着)がおり、長距離がダメとはいわないが、現実に芝3400mでテーオーロイヤルのクビ差2着なんだから。ただ、それでも、上がり3ハロンが33秒9の長距離戦て、スローペースの『よういドン』でしかないのでは、と思ってしまう。もっともっとスタミナが必要となる天皇賞春・芝3200m、本物のステイヤーこそ『称号』を得るのでは。サリエラにそこまでの資質はないとみる。 ならば、前哨戦から選べるのはワープスピード。ハッキリ言って昨年末のステイヤーズSが初重賞という新参者。その前の芝3000mの古都S勝ちで3勝クラスを卒業。ステイヤーズS4着、ダイヤモンドS3着、阪神大賞典2着で、堂々とここに登場。阪神大賞典ではテーオーロイヤルに5馬身差の2着も、日経新春杯1着のブローザホーンをクビ差退ける。いよいよ長距離界では本物といえる実力をつかみつつあるか。 長距離界に名乗り出るもう1頭が、阪神大賞典3着のブローザホーン。芝2400m・2500m・2600mの勝利はあるが、3000mを超える距離に出走の無かったブローザホーン。比較的好位で戦える馬、長距離も脚の長い末脚で乗り切れると思っていたが、阪神大賞典は2着ワープスピードと4コーナー5番手からほぼ同じ脚、同じタイムでクビ差負け。その前の日経新春杯では、2着サヴォーナ、3着サトノグランツ、4着ハートコンチェルト、4歳の中・長距離の精鋭をナデ斬り。陣営の天皇賞春へ挑む覇気を上がらせた。 アナ馬として期待したいのはマテンロウレオ。全18戦、新馬戦1着、リステッド競走1着以外はすべて重賞という、徹底してレベルの高いレースに臨んで来たのがマテンロウレオ。重賞16戦、1.2.0.13。G1は昨年の大阪杯4着、天皇賞春5着。マテンロウレオにとってG1は、『決して出るだけのレースではない』。好位から中団差し、捲り、時には先行も・・・・・・幅広い脚質のマテンロウレオ。前走の日経賞は生涯初の逃げで0.2秒差4着。ベテラン鞍上・横山典弘、思い切った作戦でひと泡吹かせるか」
天使:「なるほどな。天皇賞春3年連続2着のディープボンドも気になるけど、さすがに得意の阪神大賞典で1.3秒差の7着では、な。ほな、買い目いこか」
僕:「馬単ボックス、④⑤⑦⑪⑫⑭、30点×100円。
3連複、テーオーロイヤル1頭軸⑭-④⑤⑦⑪⑫、10点×200円。
3連単、ドゥレッツァ・テーオーロイヤル2頭軸マルチ⑫⑭-④⑤⑦⑪、24点×100円」
天使:「おっしゃ、ほな、それでいこか。ではでは」