コソボ 分断された街を行く | 社会人だけど、なんとなくひとり海外・・

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昔は、元バックパッカー。今は時間が許されれば海外へ足を運ぶトラベラー。まだ日本の方々が少ない国々に、ツアーを使わず、オリジナルで、ゆる~く旅しています。

このブログを見て頂いた皆さん、如何お過ごしでしょうか?。

今回の内容は、先月訪問したコソボ共和国の「いま」を整理していきたいと思います。

過去にあった民族紛争によって、かつて共存していたセルビア系住民と、アルバニア系住民との距離感がどのようになっているのか。

自分の眼で確認してみたいと思い、この地にやってきました。

今回は、同じ街に2つの民族が住むものの、川で分断されて対峙している「ミトロヴィツァ」という街をご紹介したいと思います。

まずは、ミトロヴィツァに行くために、プリシュティナのバスターミナルに向かいました。

ところが、このバスターミナルは意外と複雑でした。

ミトロヴィツァのバスに乗りたいと、ターミナル内にある窓口のおばちゃんに聞くと、

「外のロータリーの方でバスが来るから、ここでは乗れない」と。

えっ( ̄◇ ̄;)。


バスに乗りにバスターミナルに来たのに、バスターミナルからバスが乗れない?。

バスチケットを買いたい。と、聞いてみたら、

「バス車内で買って」と。

えっ( ̄◇ ̄;)。

バスターミナルの窓口では、バスチケットを売らないのだと。

じゃ、何のための窓口だ?。

理解出来ないまま、ターミナル出た所に行ってみました。

そしたら…。



わらりずらいかと思いますが、確かに、バス待ちの人達が立ってます。

ところが、バス待ちしてる人達全員が、私が行きたいミトロヴィツァに行きたいのかと言うと、各自バスターミナルから出てきた表示を見て、各自行きたい方面のバスに乗り込みます。

私の頭の中は、理解不能に陥りました。

バスターミナルからバスに乗らず、ターミナルの外からバスに乗ってる。

ターミナルの窓口では、バスチケットを扱ってない。

じゃ、何のためのバスターミナルなの??。

意味がわかりません。

その間に2度ほどターミナルに戻り、ミトロヴィツァ行きのバスを聞きましたが、返ってくる返答は、「ターミナルの外で待て」。

複数の人に聞いても同じ答えなので、信じてバスを探すことにしました。

そして待つこと90分、ミトロヴィツァと書かれているバスが到着。バスターミナルに入ることなく、ターミナル前のロータリーでお客を降ろし、折り返しですぐ出発するとのことでした。

やった~乗れた(*^_^*)。



後々わかったのですが、


バスターミナルの窓口は、ターミナルに入るための入場券のみ販売(10セントユーロ)で、ミトロヴィツァ行きは折り返し運転でターミナルに入らない。ちなみにその日は土曜日のため、バス本数もいつもより少なかったとのこと。

そしてターミナル外からバスに乗る人達は、入場券を節約するために外から乗る。とのことでした。

ややこしい(*_*)。

この経験のおかげで、コソボのバスはどうも苦手意識を持ってしまいました。


前置きがだいぶ長くなりましたが、ミトロヴィツァ行きのバスに乗り込むことが出来ました。

道中の風景を見てると…



お墓を多く見かけます。

3年前に訪れたボスニアもそうでしたが、紛争があった地域の「共同墓地をよく見る」あるあるですね。

そしてプリシュティナから約70分(各駅バス)で、ミトロヴィツァに到着しました。

バスから降りて約20分程歩き、川沿いに到着。




この川が、アルバニア系民族と、セルビア系民族が別れている所です。

いわば、パスポートは不要だけど、見えぬ国境。みたいになってます。


いよいよ、川を渡ってみたいと思います。



賑やかだったアルバニア系側の街並みも、

ここ橋の近くになると、このように、人影もまばらになります。




「分断された地域」というだけなので、国境線やパスポートチェックとはは特になし。


分断された街ではありますが、僅かながらではありますが、人の往来はありました。

そして、川を渡りきり、セルビア側に到着。

セルビア系側から見た、橋の入口はこんな感じ。



工事中でした。

元々は、往来しにくいよう障害物が置いてあったのですが、

現在は、それを取り除く作業を行われてるとのことです。

前向きに変わろうとは、しているようです。


次に、橋から渡った後から見える風景が、こちらです。



我々日本人から見て、大きく顔立ちが変わることはないので、大きな違和感はありません。

しかしながら、街を見渡して大きく異なることがあります。

気づきましたか?。




セルビア系列の地域になるため、セルビア共和国の旗がそこらかしこに目立つようになりました。

道路の上にも、





道端の銅像にも、旗がなびいています。






違和感を強く感じる中、少し冷静になって回りを見渡して見ると、車も、なんか違う…。

少しわかりづらいですが、わかりますか?。





一部の車輌ですが、ナンバープレートがついていません。

しかも、ナンバープレートをついていない車輌の大半が、警察とか、公共機関関係の車なのです。

先程の画像も、ナンバープレートがない右側の車は、ライフル銃を持つ治安部隊の車です。

更に、郵便収集車が真横を通った際も、ナンバープレートがない…。

すぐ、シャッターを切りました。



なんでだろう?。

ここにきて強く感じることは、コソボの独立を我々セルビア系側は一切認めてない。

その姿勢が顕著に示していました。

街なかの書いてる絵も、セルビア共和国をアピール。




少し裏道を通ると、NATO軍を反発する落書きが。




そして私がビックリしたのが、この豚の丸焼き。


大半のアルバニア系の方々はイスラム教であるため、豚肉は食しません。

ある意味、アルバニア系に対しての嫌がらせ?。なんでしょうか?。

この撮影してたら、お店のご主人が出てきて、少しばかり話しましたが、アルバニア系の件に関してはあまりにもデリケートな内容なので、触れることはできませんでした。


川1つ隔てただけで、こうも変わるのか。



社会的包摂の難しさを強く感じた訪問でした。


このミトロヴィツァのアルバニア系の方々の街並みも、また不思議な光景を見れたので、次回はアルバニア系の方を紹介したいと思います。



最後まで見て頂いて、ありがとうございました。



ちゃお