平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba -466ページ目

居合考 ~何をもって本物とするのか 2~

かねてから書き綴っていることですが、系譜、伝統、肩書きと言ったうわべだけで、流派、道場、師匠を選んではいけません。

巷には己自身で連盟を立ち上げ、その連盟の名をもって、己に免許皆伝や宗家、宗範と言った肩書きを与えるおかしな御仁もおられます。

自分自身で自分に与えた肩書き。ちゃんちゃらおかしいですよね。


しかし、そう言う肩書きに素人や外国人は騙されやすい…


稽古着のあちこちに大きな刺繍を施し、まるで暴走族の特攻服か、はたまた鳥肌実の背広のようないでたちで諸外国に支部まで作る御仁…

見ていて嫌悪感しか抱けません。


近頃では手甲をつけたり、陣羽織を羽織ったりと、時代劇の見すぎだろ?と思わずつっこみたくなる御仁もちらほら見られるようになりました。


出不精な上に、人付き合いが下手、その上、他流との交流を持たない(一部を除く)僕のことですので、どのような流派、道場、稽古方針があるのか網羅していませんが、とにかく胡散臭い流派や道場、また個人が多いこと多いこと。


しっかりと修業を重ね、新たに立ち上げた新興流派は、創流こそ若いものの、数百年の流れを汲む古流と言えるでしょう。

しかし、捏造された系譜や、単に創流された時期が古いというだけで業が失伝している流派を、果たして本当に古流と呼べるのでしょうか?


僕が創流した修心流居合術兵法は、その源流が無雙直傳英信流にあり、数多の派閥や枝派に分かれ、分裂を続ける英信流に決別し、当初名乗っていた無雙直傳英信流町井派を改名したものですので、系譜や歴史を売りにするのなら、修心流自体も室町時代から続く古流居合流派、または、江戸時代から続く古流居合流派と名乗ることもできるわけです。

門弟集めにはむしろそのように歴史を前面に出したほうが好都合かもしれません。


昨年、日本の武道を海外に紹介している、とある人物とネット上ではありますが、話す機会がありました。

僕の眼から見て、「ここはあかんやろ」「ここの系譜は怪しいで」「なんでこいつなん?」と眼を覆いたくなるような流派や道場、個人を海外に招き、その指導を請うているのです。

その旨ズバリ言いました。

「この人の系譜を知っていますか? こんなに下手な居合をどうしてあなたは海外に紹介するのですか?」

返って来た返答には愕然とさせられましたが、以下のようなものでした。

「○○先生は英信流21代宗家である。日本古武道協会の役員もされていて、それだけで立派な系譜と言える。逆に町井さんは自身の系譜を証明できますか?」

と、まぁ、海外の人からすれば、歴史や系譜が大切であることがよくわかりました。名ばかり求め、実を求めていないのです。

求めるものが違う以上、お好きなようにどうぞやってください。

と言えれば良いのですが、怪しい系譜の流派や肩書きばかりの下手な居合を、これが日本の武術だ!と、広く海外に広められることは、僕の中では日本の恥だとしか思えません。

同じことは日本国内でも言えることで、前述のように稽古の衣装や派手な立ち回りに憧れて流派、道場を選んでしまう。
体裁だけに拘って、実を選択しない。


「テレビで町井さんの居合を見て、私も居合に興味を持ちました!」


は良いのですが、いただけないのは


「テレビで町井さんの居合を見て、居合道場に通いだしました!」


なのです。

天狗なようですが、あくまで英信流系の道場に限定して物言わせていただきますと、他の道場では僕の術理は絶対に学べません。
瞬速の居合斬りなど百年かかっても会得はできませんし、単なる自己満足に終るのみです。


今現在、僕を訪ね、修心流居合術兵法を真摯に修業されている門弟達は、いわばマニアックな方々であり、名より実を選ばれた方々です。

日本国内では北海道や愛知県から、飛行機やバスを乗り継いで通われています。
遠く海外からは、ベトナム、タイ、フィンランド、台湾、アメリカなどから僕を訪ねてこられます。

今年からはアメリカのシアトルで、修心流居合術兵法稽古会が発足し、門弟である尾中氏を中心に活動開始されます。
ただ、シアトルの修心流稽古会は、現時点では支部ではありません。何故なら、発足時に集まった人間が、どれだけ長く、飽きずに修業を続けられるかがわからないからです。
暫くは様子を見て、間違いなく続けていける人間の数が定まった時、尾中さんのGOサインで正式に支部として活動していただこうと考えています。

少々話が横道にそれましたが、系譜、歴史、伝統などは単なるお飾りにすぎません。
連盟が発行する段位もお飾り以外のなにものでもありません。
何故そう言えるのか?
この人はと思える名人がいませんから。
段位や印可状は、連盟の名前で出されるものよりも、自分自身が師と仰ぐ人物から直々に戴くほうが価値が高いものと僕は考えます。

よくね、

「修心流の町井? あいつ五段しか持ってない。」

とか

「英信流をドロップアウトした奴でしょ。」

などと言われているようですが、五段しかとれなくて中途半端に英信流を辞めたのと、現代英信流と連盟に見切りをつけ、己が信ずる修業の道を歩んだのとでは、全く実が異なりますからね。

僕は肩書きなんてどうでもいいのです。自分が居合を研究していて楽しければ。

ですから、この記事を読んでいるあなたが求めるものが、武道ではなく、武術であるならば、「道ではなく術」「名より実」を選ばれることをお奨めします。

また、武道、武術の世界は、なにかとしがらみがあるものです。安易に入門すると、何かと制限され、他に良いと思った流派や道場を見つけても、なかなか移籍できないという状況にやられることもしばしば見られますので、焦らず、じっくりと、数年かけてでもこの人はと思える師、ここはと思える流派・道場を探されるべきです。

最後にもう一言。


テレビでボールを斬る僕に対し、必ずと言っていいほどこのようなコメントが付きます。

「侍は武芸をひけらかさない」

とか

「侍は魂である日本刀でボールなんか切らない」

なんてね。

嫌われるのを覚悟でハッキリ言おう。

「武士とか侍に勝手なイメージ持つなよ。そもそも武士と侍とは全くことなる物(身分)だよ。そこのところしっかり学べ。」


え? 武士と侍が違うって?
どういうことかって?


知りたい方はこの一冊を読むべし(何気に宣伝 (笑)


2月3日宝島社より発売されます。ネット予約できるみたいです。

※僕のほうでもご予約できますよ。










関西(大阪豊中・兵庫川西)で古流居合術を学ぶなら、『修心流居合術兵法 修心館』
http://www.shushinryu.com

居合刀・武用刀剣から価値ある美術刀剣まで、日本刀・刀剣・古武具に関することなら『美術刀剣 刀心』
http://nihontou.jp