「連鎖関係代名詞節」とは、

say,hear,know,think,tell等の目的語である名詞節が関係詞内に挿入されたものを連鎖関係代名詞節と言う。

I haven't met a boy who you know is the brightest student ever.
(私は貴方が未だかつてない程賢いと知っている男の子に会ったことが無い。)

この様な連鎖関係代名詞節の中では通例関係代名詞"that"は用いられない。また、前述の例文で"who"は"is"の主語であるため原則として "whom"とするのは文法的に誤りであるが、非標準として"think"の目的語と見なし"whom"とする所謂関係詞牽引が発生することもある。

この構文は後述の二重限定と明確に区別されなければならない。
I haven't met a boy that you know who is the brightest student ever.
(私は貴方が知っている男の子の中で未だかつて無いほど賢い男の子に会ったことが無い。)      

以上「Wikipedia」より引用。


 ということで、今回は「連鎖関係代名詞節」の話です。高校で習いましたか?多分、「連鎖関係代名詞節」という用語では習っていないのではないのでしょうか?「挿入用法」とか、なんとかという言い方をされたかも知れませんね。この「連鎖関係代名詞節」という用語自体は、私の所有している「英文法解説」、「ロイヤル英文法」、「英文法詳解」、「総解英文法」のいずれにも掲載されてはいませんが、その用法は紹介されています。
英文法解説
「英文法解説」では「§60(2)先行詞の直後にI know, we think などが挿入される場合」として掲載されています。大学入試問題では2002年の早稲田大の長文問題にあるそうです



TIMEを読んでいたら、チベット自治区での騒乱に関する記事で使われていたので、紹介します。


'It's hard to pick a side in what happened', said John Kenwood, 19 ,
a back-packer from Canada who spent ten days in Lhasa.
'I agree that Tibetans have their own culture, but I can't agree with what people did. Afte a while it was not about Tibetan freedom any more.'


(試訳)
「今回の事件では、どちらの側につくのか決めかねています。チベット民族に独自の文化があることはわかりますが、彼らがやったことには同意できない。つまり、あれは、最早、チベットの自由なんて問題じゃなかった。」とジョン・ケンウッドは言った。彼は19歳のカナダ出身のバックバッカーで、ラサでの滞在は10日間になる。


このあと、暴動化の詳細が続く。

He said that he saw at least five Chinese people being attacked by the crawd,
including a motorcyclist in his 20s he thought was beaten to death.

'They got him in the head with the large piece of sidewalk.
He was down on the ground and he was not moving.'


(試訳)
ケンウッドによれば、少なくとも5人の中国人が群衆に襲われているのを目撃し、その中の20代のバイクの男は殴り殺されただろう、とのことだった。
「群衆は、歩道の大きな瓦礫でバイクの男性の頭を殴ったんだ。彼は倒れ込んで、そのまま動かなかった。」


分詞構文の中で、連鎖関係詞節が使用されています。

,including a motorcyclist in his 20s (who) he thought was beaten to death.

この場合、( )にあるようにwhoを補って考えます。つまり、

including a motorcyclist.

(攻撃を受けていた中国人の中には、)バイクの男(バイクを引いた又は乗った男)がいた。

He thought the motorcyclist was beaten to death.
彼(John)は、そのバイクの男が殴り殺されたと思った。
これを1文にすると、
including a motorcyclist who he thought was beaten to death.

となり、本文のようになります。記事の中ではwho(主格)は省略されています。

「関係代名詞の省略は、目的格だけ」と高校の時、教えられましたが、実は主格の場合も一定の条件の下で、省略可能です。ここで、詳しくは述べませんが高校英語教育の便宜上、そのようにされているようです。
「美誠社」のHPの「英文法研究」(http://www.biseisha.co.jp/lab/check/index_mac1.html)で詳しく解説してありました。



最後に、この記事は、次の引用で終えられていました。

'They were howling like wolves. That's the point when it went insane.'
試訳)「群衆は、狼のように吠えていました。暴徒化したのは、それがきっかけですね。」

記事引用:THE TIMES ~world news ~
 Dalai Lama's pacifist message losing its power over Tibet's young radicals
'TOURISTS SHOCKED BY VIOLENCE OF MOBS'
2008.03.28


しっかし日本のメディアは、こういうこと、伝えないね。(。・ε・。)