私は男女の関係というのがさっぱり分からない。
それはもう年齢=恋人いない歴なので完璧と言えばもう完璧である。
そして何をすれば成長するのかが未だに分かっていない。
極めつけは特に恋人がいないことを全く苦にしないということである。極論で言えば必要がないからいない、そういう活動もしない。
恋人が欲しいと思わなければ得ようと思うこともない。中学生くらいで恋人が欲しいと二回か三回は思ったが全然アピールもしない。
逆に今で言うストーカーみたいに言葉を交わさないで遠くから眺めているだけのような、今思えば完全に病的な、危険な領域だった。
そんな歪な感情なら持たないでいいや、と思ったのかどうかは知らないが高校からは誰かを好きになるとか恋愛感情も特になく、
まさに勉強と部活(又はサークル)のために学校に来ていたと言っても過言ではない。
なんなら合唱という一定数の男女がいないと成り立たない活動を三十年弱ずっとしているが、
ずっと男声と女声というパーツ単位で見ていたようなものである。本当に人間として見ていないのではないかとか思われただろう。
ともかく自分のパートを完璧に歌いきることに専念していたから、それ以外のことは一切しなかった。
音楽的な意味でパート間の連携や演奏に問題があればキッチリ修正しておくことは全力でやった。
しかし日常会話はしない。何かをアピールしたり、人に出会う機会をうかがうこともしなかった。
当然終わった後の宴会とかもやけに静かに、特に話題もなく、こいつ本当に合唱で歌うことしか考えていないと思われても仕方がなかった。
大学にいってもっと広い都道府県の人が集まっても何ら変わりなかった。
そして社会人になって合唱団に所属しても本当に何も変化しなかった。
ただ自分のパートの音を完璧にして指揮者の指示に従う、音の出るパーツらしさに余念がなかった。なんならパーツそのものである。
音楽関係の教育を受けていたので声量や音取り的な意味では頼りになるが、パート内の人間関係の調整、他のパートとのすり合わせ、
それから交友関係なんて微塵もないし、人間的な意味では何の頼りにもならない。本当に声を出す機械みたいなものである。
そして合唱以外でも趣味はほぼ同じ事になる。共同の目的に対して全力は尽くすがそれ以外のことはしない。「それ以外」には会話も入る。
要は一言も会話をせずに団体の砂粒のように目的だけ達するように動く、ある意味影のような不気味な存在である。
異性に対してもびくともしないが、同性に対しても特に友情とかというものがない。
孤高の存在と言えば言い過ぎだが、とにかく全体的に与えられた課題があればそこに全力で取り組むので、人間関係に手が回らない。
回すことが出来ない、とも言う。
浮いた話もスキャンダルもないから、男女関係のもつれにも一切無縁である。
そしてこの間の江別の公園で全裸で放置されて死亡した大学生がいて、その後の警察の調べで、
その恋人(?)とその交友関係の男女グループが徐々に逮捕されていくような事件のニュースを見て、
いやあやっぱり男女関係の構築とか怖いね、近寄らないでおこう、という念を強くしてしまうのである。
何の経験もないということはちょっと煽られたら経験がない故に迂闊な行動をする、ということであるから。
そういう意味では同じ頃にガールズバーで女性が刺殺されたりする事件もあったし、
さらに少しさかのぼれば、タワマンに乗り込まれて女性を刺殺しなければならないような程の感情とはどれ程のものなのか、
私にはさっぱり分かっていないし分かったら同じ泥沼にはまるのかな、と思いました。
この容疑者の男性たちと自分が違うところは、自分には決定的にお金がない、ということですが。
金の切れ目が縁の切れ目というならば、人間関係のない現状は極めて妥当な結果である。
誠に遺憾である。