最近家の敷地で子供をプールで遊ばせていたらそれがうるさいからと近くの家からモスキート音を浴びせられたのが話題になっている。
問題の詳細は全部Yahoo!とかのニュースで書いてあるので、そちらに譲ることにしておく。検索をかけて調べればわかるが実に不毛な話である。
追記(夕方に)
夕方記事を再確認しようと思ったら記事が削除されて跡形もない。
何かあったかは知らないが特定の人間だけにモスキート音を集中してぶつけるなんて現代の科学では無理と悟ったのであろうか。
それとも具合が悪くなった原因がモスキート音ではなく普通の体調不良、投稿の時期なら軽度の熱中症になったとか。
夏の気温の日に野外プールなんて水温も気温も高いので、そのまま放っておけば具合が悪くなるのもモスキート音に関係なく当然と言えよう。
閑話休題。
もう自分なんてモスキート音がはっきり聞こえるお年頃ではとっくになくなってしまいましたが、
その代わり近所の農家の農業に使う機械の試運転とか、演歌や歌謡曲のカラオケの練習とか、
あとは野外のバーベキュー、それに集まる親子連れにはよくあるような、容赦のない子供の叫び声を浴びせられる。
これでも昔はでかい二輪バイクの暖機運転がほぼ毎日あったから昔よりはマシな方である。
反撃なんてすると余計に話がややこしくなったり犯罪者にされたりしてもかなわないので、まずやらないが、
やるとしたらメタルかハードロックをアンプから大音響で流すか、音楽に便乗してついでに自分もギターやベースを弾き倒すことになる。
ついでにスピーカーにマイクをつないで、マキシマム ザ ホルモンのデス声(キャーキャーうるさい方)をやらかせば完璧である。
やりませんが。
ただあまりに周りの騒音が質的にも時間的にもしつこいと、意味不明な言葉を叫びながら、現代音楽を近所向けに垂れ流したくなる。
やっぱりやりませんが。
現代音楽なんて極論、愛好家以外が聞いたら、風邪をひいて高熱でうなされているときの夢にでも流れて来そうな音の塊である。
調性(ハ長調とかイ短調とか)やメロディー、和音(ハモっていると俗に言われるもの)を排除して成立する音楽だからどうしてもそうなる。
なので現代音楽とは聴ける音楽かどうか、と聞かれたら、普通の人ならまずはやめとけ、と自分でも忠告はしておくだろう。
それでも聴きたければベルクのヴァイオリン協奏曲あたりから始めるといいと思う。何も根拠はないが、多分これでもかなり緩い方の現代音楽だろう。
そこからシェーンベルクとかヴェーベルンやペンデレツキとかメシアンに進むなら進めばいい。進めるかなんて全く保障はしませんが。
そして最終的にジョンケージに至ればもう音楽なんて哲学の一種にまで変貌しているだろう。
そんな音楽を近所向けに垂れ流して近所の人もかけ流した本人も精神の平衡を保てるかも不明である。
まあ、そこまでやるのはどうか、と思ったら現代音楽のちょっと前くらいに作曲された、
エリックサティの「ヴェクサシオン」を途切れることなく最初から最後まで流せばいいのです。
短いフレーズを840回繰り返すだけの曲なので大体の人には精神的な負荷がかかります。
そもそも「ヴェクサシオン」は「嫌がらせ」という意味なので仕方がない。
聴いている人にも、それを取り巻く環境にも、そして弾いている本人にも等しく「嫌がらせ」である。
ただしフル演奏で最短でも十八時間かかるので、音楽を演奏する人のメンタルがあらゆる意味で一番危険な気もします。
なおこの曲を昔に一人で840回分最後まで弾ききろうとしたピアニストは、三分の二位弾いたあたりで幻覚症状が出てリタイアしました。
正に「嫌がらせ」の名に相応しい結果である。
なので現在で840回繰り返す演奏会は、大体複数人のピアニストが順番に入れ替わりながら演奏して完走するのが普通である。
ましてやアマチュアの人間が弾ききるなんて無謀にも程があるから、
楽譜をパソコンの楽譜ソフトに記入して楽譜の指示通り840回繰り返しを垂れ流すのが一番健康(?)で安全(?)でしょう。
何が健康で安全か(哲学)、という問いから始めなければならないが、布団を叩いて絶叫するのとどちらが平和なのかなんて本当に無駄な問いかけだろう。
精神的にも肉体的にも健康的かどうかはさっぱりわかりませんが、まあ「嫌がらせ」の目的は達せるでしょう。
何もかもが誠に遺憾である。