世の中では一切の動物性タンパク質を摂らないで生きるヴィーガンと呼ばれるものがあるが、
自分がやったら死ぬ。嗜好的な意味ではなくアレルギー的な意味で。
アレルギーの検査で、大体のアレルゲンには引っかかるし食べ物とて例外ではない。
どれもこれも引っかかるが比較的マシなのが牛肉以外の肉と魚介類(白身除く)で、
穀物の話になると米とか小麦とか大豆とか蕎麦とか胡麻とか大体ヴィーガンにとって必要な食材ほどアレルゲンになる。
自分がヴィーガンをやれば、肉でタンパク質が摂れないので栄養的に死に至るだろう。
炭水化物を今まで通り食べれば何とかなるが、それだと栄養がすこぶる偏る。
アレルギーに厳格に対応すると何とか食べられる野菜しか買えなくなるのでお財布にもとても痛い。文字通り死に至る病である。
最早霞でも食ってろ、という勢いであれもこれもアレルゲンになるので、
あれかこれか、と食材を選んでいる余裕なんてない。食べ物の好き嫌いはないがアレルギーに引っかかるかとは話が別である。
意図的に栄養がバランスよくならないのと、アレルギー反応で食べるものが限られるのとは、
決定的に異なるものである、と自分は考えるのである。
食べるものにも美と倫理を、なんて格好いいことを言うつもりはありませんが、
食べるものを選ばないとアレルギーで困る人間には意図的に食べ物を遮断する人の気持ちはわからないでしょう。
不安の概念が異なるベクトルに存在すると話をしようとしても立脚している場所が違うので、
話をまとめるどころか喧嘩とかソリが合わないとか行くところまで行きかねない。
意図的に肉を食べないなんて贅沢なことを言っているような気がしてならない。
偏食というぜいたくは敵である。欲しがりません勝つまでは、とか言うが、
勝つとは一体なんでしょう。
何に勝てばいいのでしょう。