日頃から、多数派にいると何だかむず痒くなってくるので、気がついたら少数派にいる。
有利か不利かで言えば確実に不利である。そんな事は知っている。
だが知らない何かが自分を突き動かしている。
ただでさえ自閉症スペクトラムとかいうこれ以上ないような少数派にいるのに、
追い打ちをかけるように自分を追い込んでいく。
とは言え、今のJ-POPを聞く気になりますか?と聞かれたら確実にいいえと答えるし、
他のランキングに乗っているような曲を聞きますかと聞かれてもいいえと答える。
というかランキング自体を見ない。自分の好きなクラシックとメタルと合唱を聴きながら、
駆けつけで「アイドルなんて半分以上減らしてもいいんじゃないですか」などと言うだろう。
自分の感覚を信じれば、世間の報道機関が流すような「これが売れています」という情報が、
まさに一番必要ない情報である。
そこで合わせてみよう、とならないのが恐らく自閉症スペクトラムのそれっぽいところなのだろうが、
では嫌いなジャンルの曲を聞く気になれますか?とは言わなければならない。
一番聞きたくないジャンルの曲を聞けよと言われたら、おとなしく従うわけにも行かないだろう。
昔福祉施設のバンドでAKBを演奏する羽目になったときは、
苦虫を噛み潰すような顔をしてベースを弾いていました。誰にもわかるように。
無味乾燥なポップスを聞いて消費するような人間にはなりたくないと思っているが、
十代からずっと二十年程度同じことを言っている。というかそれしか言わない。
他のことについても、テレビを見ないことで、何が流行っています、ということを知らないで過ごしている。
大体テレビで流そうとするものはスポンサーの意図とかあれこれが見えてくるようなものである。
宣伝に乗るのも悪くないか、なんて思うようなことはそんなにない。
それで乗っていいと思うのは珍しい食べ物ぐらいである。
食べたことがなければ一度はやってみる。まあ住んでいるのが田舎なので来ないこともあるのですが。
しかし、音楽なんてなんか聞き古したような何か、とりあえず唐突に差し込まれる何か、
明らかな異物、一時期ジャニーズとAKBでヒットチャートが埋め尽くされたときは絶望すら覚えたものである。
スーパーとか、何かの施設で、少し聞いただけでもう分かるようなアイドルの曲とか、K-POPとかを、
延々と流された日には、もう目が死に始めるだろう。
実際スーパーのバイトをしていた時に、勤務中延々ポップスを流されたので、
本気で「仕事中に耳栓をしていいですか」とは聞いた。案の定断られましたが。
それから色々あって著作権の関係で、店内で音楽を流すのは厳しくなったとは思いますが、
それでもずっとポップスを流す場所が無くなったりはしないのが世の中の辛いところである。
もう、うっせえわ、と一言吐き捨てて立ち去りたくなる。