私はトラックに乗って自宅に帰ろうとしていた。自宅はまだまだ先である。
まだ夜にはなっていない。
風景を眺めながら走っていると、燃料が心もとないことに気づいたのか、
そのへんにあるガソリンスタンドに車を停めた。
車から降りて向かいを見ていると、武術教室が開かれているらしく、
道場を体験したい人が集まっていた。
私はそれを見てから、ガソリンを入れて、それから灯油も入れて、
ゆっくりとまた帰る道を走っていった。
国道のような道を走るが、周囲は平坦だったと思えばすぐに山肌が見えたりと、
とにかく不安定な道だった。
道自体は特に起伏もなく、穏やかなものだったが、
このまま車を転がしてやがては家につくのだろうと思った。