なんかこう、世の中では睡眠導入剤を悪魔呼ばわりしたりするところもありますが、
本当に危険な薬物はちゃんと危険呼ばわりされるような物品なんじゃないんですか。
と「危険ドラッグ」を所持した疑いで逮捕された某アナウンサーの報道を見ながら思うのである。
昔の眠剤は確かに乱用したら危険なんですが、
(というかバンドをやっていると昔の薬物の話とか腐るほど聞かされますが)
他の薬と同様に眠剤も進歩(?)しつつあるんですよ。
強制的にバタッと眠らされるような薬とかも場合によって用いられますが、
大体そういう「本当にバタッと倒れるようなものが睡眠剤」みたいな偏見は
二時間ドラマとかのサスペンスもので広がってしまっている部分があると思う。
クロロホルムとかそんなにすぐに効きませんって。
今は単に睡眠を促すだけではなく、ホルモンの分泌に関わったりとか、
単純に「眠らせる」目的以外の睡眠剤も増えていると思うのだが、
大体サスペンスがイメージを強制的に塗り替えていくので、大体なかったことにされる。
簡単に睡眠剤が処方されるのもそれはそれで問題なのは間違いないが、
(いくら薬が死ににくく効くとは言え用量用法を守らずに多量に飲めば健康の保証はありません)
今では心療内科で三種類以上の睡眠導入剤を処方することが禁じられているので、
ホルモン調整、若干の効き目のあるもの、に加えて緊急でどうしても眠れないときがある、といったときの
薬の処方が出来ないのも考え物である。
そういう薬の怖さを知っているのに、どうして敢えて「危険」と名の付いた薬物に奔る人は後を絶たないのか。
永遠の疑問である。
睡眠導入剤の悪評だけでも勘弁して頂きたいものだが、
本当に危険なものは本当に危険物扱いされるのです。
「劇薬」とかそういう扱いで。ちゃんとラベルとか瓶の色とかも指定された上で。
病院でさえ丁重に管理しなければならないようなものがあるというのに、
それ以上の劇物が出回っていて、それを試せるというのは、
個人的には恐怖以外の何物でもない、と思うのである。
それこそ本当に「危険」である。