来月10日発売の文藝春秋6月号の前にデジタル版が公開されました。以下冒頭――

 

 

森喜朗 元首相 「裏金問題」真相を語る 240分【6月号先行公開】

「私が裏金作りを始めたと言っているのは誰だ」

   ノンフィクション作家 2024/04/26 SCOOP! NEW

 ▶︎岸田首相から電話の事情聴取で尋ねられたこと
 ▶︎「キックバック復活に森氏が関与」と密告した安倍派幹部
 ▶︎「全責任を取って仲間を救ってやれ」と塩谷座長を説得した
 ▶︎下村元文科相が2000万円」持参して私に土下座した理由

 ――今になってインタビューに応じる気になったのはなぜですか。その理由からお聞かせ願います。

 森元首相(以下、森) 本音を言えば、「政治とカネ」については話したくない。けれども、自分一人がいい格好をすると思われるのも嫌だし、これは関係した議員すべて、さらに自民党の名誉にかかわる問題です。とくに若い諸君は選挙区に戻ると、支援者に平謝りに謝らなければならない。きちんと事態を説明できない人もいます。なかには地元の県会議員たちから「次の選挙は他に代われ」と詰め寄られ、えらい苦しみに遭っている者もいます。私もそんな苦しみの責任の一端を負わなきゃならん。森功さんのようなジャーナリストの追及に答えるのもまた、私の責任だと考えています。

 それともう一つ、やはりこれは大罪です。場合によっては、国を滅ぼす事態になりかねない。したがって国民にお詫びをしなければならない。誤解があるにしても、大罪の一端が私にあると言われた以上、真実だけはきちんと話しておかねばなりません。そうでないと、私の子孫に対しても申し訳ない。この二つがインタビューを受ける理由です。

「含みおいてください」

 ――昨年来、火のついた自民党派閥の裏金問題は、岸田文雄首相が関係議員を処分したにもかかわらず、沈静化する気配すらありません。岸田首相はキックバックを始めた張本人と名指しされた森さんに、4月上旬に電話で聴取をしたと述べましたが、内容はいっさい明かしていません。何を話したのでしょうか。

 森 総理は早く結論を出して(4月8日からの)訪米にそなえたい気持ちが強かったのでしょう。だから、私にも真実を確認するためにやむをえず電話をかけてきて、それで済んだ、という形をつくろうとしたのだと思います。ただし、私は今回の安倍派議員に対する処分のことで、岸田総理には何も言っていません。(以下略)