岸田文雄首相が政治刷新を謳い、40人近い自民党議員と「政治とカネ」について話し合うと発表しました。第1回会議には最高顧問に就任した麻生太郎元首相が訪米中で欠席していましたが、代わって同じく最高顧問の菅義偉前首相がぶら下がり会見。

「わかりやすいのは派閥の解消だ」と持論を展開しました。会議に参加した小泉進次郎氏や三原じゅん子氏も菅さんに倣い「派閥解消」を声を高らかに訴えます。ただし、彼らはいわば「無派閥の菅チルドレン」という派閥に属している人ではないでしょうか。

 そもそもなぜ派閥を解消しなければならないのか、そこの説明がありません。「わかりやすい」という言葉の真意は「国民のウケがいい」というポピュリズムではないか。どうも薄っぺらいウケ狙いが見え隠れし、説得力がありません。

 派閥は「その他の政治団体」で、その監視が甘かったから裏金の温床になってきたわけです。その監視をどう強めるか。本来、そこが今度の改革の主眼ではないでしょうか。

 仮に派閥がなくなり、無派閥という派閥が力を持てば、そこには政治団としての監視が届きません。ちょうど、ヤクザと半グレの関係のように。わかりずらくなる。組織がマフィア化すればチェックが行き届かないのでは。