…実は、先週土曜のスタジオを出た直後、
突然ベースF氏から脱退を告げられた。
“まさか”という思いと、“ついに”という思い。
だから止める事ができなかった。
それに、彼の辛そうな顔を見ると、言葉がうまく出てこなかった。
個人的には何度も飲みにも行ったし、たくさん話もした。
だから、少しは…彼の気持ちがわかる気がする。
『苦渋の決断』
…そんな気がした。
理由はひとことだけ聞いたけれど、彼は全てを語ろうとはしなかった。
全て語ったところで、結果は変わらないのだと思う。
あまり長くみんなと居るのも辛そうだった。
正直、
ショックで、ショックで、ショックで、ショックで、
どうしようもない。
彼が去った後、
皆はムリに“元気”でいた。
いつものスタジオロビーのテーブルを囲みながら、
できるだけ沈黙が訪れないよう、何て事のない会話をいつまでも続けていた。
仕事直後に3時間スタジオに入って、演奏をし続け、
きっともう皆フラフラだったのだろうけれど、
何故か日付が変わっても、いつまでもいつまでも席を立てずにいた。
この日のF氏の様子は最初から確かにちょっと変だったけれど、
それでもあまりに唐突で、今まで当たり前のように笑い合っていた仲間がこの日を境に、突然去ってしまう事に、みんな戸惑いを隠せなかったと思う。
“社会人バンドの宿命”
…そうなのかもしれない。
この日、
スタジオで機材のセッティングをしながらF氏に、「また鶏会しようよ」と誘った。
いつもなら「お~♪やりましょやりましょ!…で?いつに?」ってすぐ返ってくるはずなのに、
「いや…実は胃を壊してドクターストップがかかって…」という返事。
その時は、「ええ?!胃が?!」と、心配したけれど、
今思えば、それが本当の事なのかどうかはわからない。
…ただ、ビールがめちゃくちゃ大好きなF氏だから、せめて胃の話は嘘だったらいいな、と心から思う。
もうお互い大好きな鶏肉を共に囲む事ができないのも寂しいものだけれど、
まあ、焼き鳥ばかりあんなに食べていたら健康にもよくないって事で、
焼き鳥はこの機会に少しだけ控える事にしようかな…(笑)。
それよりも、『八重桜』だの『職質ネタ』でいじる事も、もうできないのか~。
コワモテポジション(またの名をアニキポジション)がいなくなっちゃったじゃないか。
うーん…“男気担当”はドラムK氏が受け継いでくれるかなあ(笑)。
…なんか違うか??
スタジオの翌日、
遅い朝食を食べていたら、ご飯を噛む度に顎がね…めちゃくちゃクリック音。
(パソコンのマウスをクリックした音みたいなのが、口を開ける度にする)
…顎間接症ね。
そっか~結構ショック受けてんだな...と実感したのだけれど…
あまり悲しむのはやめる事にした。
きっと悲しいのはF氏もそうだし、皆もそうだ。
皆一緒なんだから、前向いて歩いていかなきゃって思った。
本当言うと、
F氏の重度のヘルニアの腰にしがみついてでも止めたかったし、
今もメールなり電話なりをしたくて仕方がない。
だけど、それじゃダメだ。
相当頑張ったF氏の気持ちにちゃんと応えなきゃ。
“後ろ髪引っ張ってどうすんだ”ってね。
ただ、
F氏は、バンドをここまで育んで導いてくれた
今までもこれからも、ずっとずっと大事なメンバーでもあるし、
音楽仲間であったり、
飲み友達であったり、
はたまた、元・職場のお得意様(←ホントに偶然)だったりするわけだから、
また、“何か”が落ち着いて、
いつしか少し気持ちに余裕ができた時には、
「ども。ご無沙汰してます。お元気ですか?」と連絡してきてほしいと思う。
少しぼやくと、
15、6年の間に10個くらいバンドやユニットを組んできたのだけれど、飲み友達ってほとんどいなかったんだよね。
自分自身の遠慮しすぎる性格からなのか、引っ込み思案すぎるからなのか…。
淋しくなるなあ…。
だから、何年後になるのかはわからないけれど…
(その頃までお互いに音楽をやっていれば嬉しいけど!笑)、
「殿!ご無沙汰してます。」と、いつも通りに気軽に連絡をもらえれば、
こっちも気軽にアンパンチかますんでね!
何より身体に気をつけて、毎日を元気に過ごしていってくれれば、
それがイチバンだと思う。
…さて。
前を向かなきゃ。
F氏を越えてくれるベーシストはなかなかいないだろうけれど、
何より早く、F氏に安心してもらえるようにならないとね!
F氏、
今まで本当にありがとう!
そしてお疲れ様…!!
これからは、
今以上に爽やかで(←爆笑)、コワモテでカッチョイイベーシストになってね!!
気をつけないとまた職質されるから、とにかく笑顔を忘れずにね!(笑)
笑顔はとびっきり爽やかなんだから。
F氏が大好きだったブルーハーツの『情熱の薔薇』。
メンバー全員の意思で、
今はこの曲を、
F氏に敬意を表する意味で、そっとしまっておく事にしたよ。
“ブルハはF氏と共にある”
皆の想いはひとつです。