ワールドカップが熱い今
国と国とがスポーツを通じて競い合い
そして 人と人とが勝敗を超えて
深く繋がり合っていることを痛感
でも、実際には 悲しいことに
武器を使用しての争いが
世界中で起きていて
毎日たくさんの方々が
亡くなられているのですよね
そんな戦争について扱った
子どもたちにも解りやすい内容の
絵本、児童書、アニメ映画など
様々あると思いますが
中でも、戦争とクリスマスが
テーマとなっているお話
かなり限られるのではないでしょうか
こちら、日本では
『アンナの赤いオーバー』という題で
出版され、実家の本棚にも
ずっとしまってあったのですが
小さい頃、なんとなく
表紙の女の子の表情(目線?)が怖くて
あまり手に取ることもなかったため
渡独前にさよならしてしまった私
我が家には戦争を伝える絵本が少なく
今ちょうどクリスマスシーズンと
ふとした瞬間にこの作品が思い浮かび
この度、原版(英語)で
買い直すことにしました
以下、絵本ナビさんのHPより
スクリーンショット撮らせていただき
あらすじ、ネタバレになりますが
ぜひご覧ください
↓↓
戦争が終わったらすぐに
元通りの生活に戻るかといえば
現実は決してそう簡単ではありません
【 物もなければお金もない 】
でも、アンナのオーバーはもうボロボロ
新しいオーバーが必要でした
そこで、お母さんは 自らの大切な
ジュエリーや雑貨と引き換えに
羊毛を手に入れ、それから糸紡ぎを依頼
親子でコケモモを摘んで赤く染めたら
今度は布を織ってもらい
最後は仕立て屋さんへ縫製を依頼と
およそ1年に渡る長い工程を経て
大事に大事に作られたオーバー
やっと出来上がり、クリスマスには
オーバー作りに携わった方々を
家に招待することにしたアンナとお母さん
これほど素敵なクリスマスは
いつぶりだろうかと
和やかな雰囲気に包まれるなか
締めくくります
戦争を伝える絵本や映画の中には
焼けただれた人や大怪我を負った人など
痛々しい姿がリアルに描かれた作品もあり
私自身、小学2年生の時に学校で観た
『火垂るの墓』が いまだに
トラウマになっているというか
当時しばらく何をしていても
映画に出てきた惨いシーンの数々が
頭を駆け巡って仕方なく…
戦争がいかにあってはならないことかを
視覚的に訴えかけることは
もちろん大切だとは思うのですが
中には、HSP傾向のある私のように
繊細な心を持ったお子さんもいらっしゃり
衝撃が強すぎる場合もあるのではと
危惧されてなりません
『アンナの赤いオーバー』については
そのような懸念材料はなく
とはいえ、戦争によって
瓦礫の山と化した街並みや壊れた窓
どこもかしこもお店が閉まり
食べる物も着る物も買えない状況
傷病兵の様子などは窺えますし
写真立てにお父さんが写っていながら
アンナとお母さんしか登場しないのは
お父さんはもしかしたら戦争中に
亡くなっているのかな
戦地から戻るのを待っているのかな
なんて親子で話し合うこともできますし
また、1つの服が出来上がるまでに
どれだけの物、人が関わり
どれだけの労力、時間を費やしているのか
知ることによって、感謝の気持ちや
物を大切にする気持ちも養える
心温まる素晴らしい作品だと思います
第2次世界大戦後の
事実に基づいたストーリーとされる
『アンナの赤いオーバー』
作者のハリエット・ジィーフェルトさん
そしてイラストを手がけられた
アニタ・ローベルさんは
どちらもアメリカ人ですが
アニタさんは元々ポーランド生まれで
5歳の時に第2次世界大戦が始まり
ナチスから逃れる生活を4年半続けた後
強制収容所に入れられた経験も持つ
まさに戦争体験者
というわけで、この作品の挿絵は
彼女が実際に戦争を味わった
ヨーロッパを舞台に描かれていると
言われています
ポーランドのすぐ東には
ウクライナ
とても考えさせられますね
クリスマスを前に
『アンナの赤いオーバー』
ぜひオススメしたいです
(✳アニタ・ローベルさんの絵本に関して
もしよかったら過去ログも!)
本日もお読みいただき
ありがとうございました