前回、世界に誇る「水景」を創作した故天野さんの話を少ししましたが、スミダ水族館で入手した資料の中に氏の遺作であるカメラマン時代の作品展が地元で開かれていることを知りました。。幸いにタンゴのレッスンスタジオの近くでしたので、レッスン前に参観することにしました。
幹線道路には面していない住宅地の駅に離接しているため、近くを通っていても、住宅地の中までは入って来ません。その為に、こんなに目立つ施設があるということをこれまで知りませんでした。名前もそれらしく「アースプラザ」。新しい施設だと思ったらすでに20年の歴史があるそうです。中には喫茶店やレストラン、研修室、会議室、展示場、コンサートホールなどがありました。
中に入ってドーム状の天井を見上げると、銀色に光り輝く球状の物体を中心として放射線状に構成された美しいホールである事がわかります。入っている組織や団体は国際交流関連が多いので運営母体を尋ねると、国際交流基金(JAICA)が派遣している青年海外協力隊のOB&OG立で構成されている青年海外協力協会(JOCA)という組織だそうでした。私も国際学が専攻でしたが、勉強不足でした。と言うよりも、すぐに実際の国際間ビジネスに携わってしまったために、現地では協力隊の方たちと行動を共にすることもありましたが、組織の事を気にしている余裕もなかったのだと思い出します。
天野氏の展覧会場に入ると、氏の愛用した特注の大判フィルムカメラと長野県梓川の風景写真があります。展示作品は撮影も、SNSでの転用も良いそうでした。SNSで「拡散」という言葉を用いることが多いのですが、私は「ばらまく」というイメージが強いので使いません。
富山県魚津。岩の上に根を張る樹齢2000年を超える巨大杉。物凄い生命力を感じます。
天野氏は新潟のご出身であるために日本海側の写真も多いです。これは佐渡の三島。
中国の九寨溝五花池。昔、この辺には野生のパンダが普通にいました。現在は観光地化したために滅多に出て来ません。
日本では貴重となった棚田ですが、中国の奥地にはまだたくさんあります。山全体が棚田なのです。大陸のスケールが違います。それにしても、この田んぼに入れる水はどこから流れて来ているのか気になります。
これは色彩に迫力があるので撮影しましたが、場所を覚えていません。アフリカかラテンアメリカだったと思います。
世界最大の流域面積を誇るアマゾン川。オーストラリア大陸とほぼ同じ面積だそうです。長さは7570キロ。日本列島が二つ入ってしまいます。この写真の場所も川幅が8キロもあるというのですから想像できません。これを見ると、恐竜や正体不明の生物が生息していても不思議はないと思ってしまいます。
川の水は透明ではなく、コーヒーのような茶褐色(ネグロ)。どんなに巨大な魚がいてもおかしくありません。正体不明の巨大生物としてはネス湖の「ネッシー」が有名ですが、あんなのはアマゾン川から見たら小さな水たまりでしょう。こちらの方がもっと何かいそうです。
釣り針に餌をつけて漁の準備をする少年。子供の頃からカヌーと釣りが必修知識です。
水の色は黒くても夕日はやはり赤い。この微妙なコントラストが素晴らしい。デジタルカメラは色彩を自動で認識しますが、この作品を撮影する時にはとても時間がかかりました。突然、モニター画面が変な色に変わってしまうのです。
鼻水を垂らしているけど、目の輝きが素晴らしい。子供たちは人類の宝物ですよ。天野氏は風景だけではなく、人間の素晴らしい写真も多数あります。
自然や人間と触れ合って来た体験と感性が、後に水の中に大自然を再現した「水景」を生み出すことになるのです。
アジアの未開のジャングルと言えばマレーシアやインドネシア。独自の文化が継承されています。地理的には離れているのに、いわゆる「インディオ」(西洋人たちが使い始めた先住民の意味)と呼ばれる現地人たちの姿かたちには似ているものを感じます。
顔も鼻も丸くて、日本人には親近感があります。天然パーマの人が多いようですが、頭を保護するクッションや保温の役割を考えれば縮れ毛の方が効果的ですね。
両鼻から鼻水を垂らした子供を背負う若いお母さん。鋭い眼光は凄い生命力を感じます。インドネシアのジャングルで思い出したのが、昔資源調査でご一緒した地質学者。彼は学生時代に探検部に属し、日本人として初めて自動車でボルネオ島を探検しようとしたそうです。当時は自動車会社のマツダからファミリア(小型乗用車)を提供してもらい、とても貴重な体験だったという話をうかがった記憶があります。今でも未開の部分が多いジャングルをよく走ろうと思ったものです。そう言えば、彼の風貌は天野氏とダブるものがあります。お元気かなあ?
天野氏の使用する超大判フィルムは8×20インチ。富士フィルムに特注していたそうです。サイズが大きいため、使用する機材も大きくなり、撮影も大変です。しかし、その大きなサイズゆえにとらえることのできる情報量は圧倒的な迫力があり、それが彼のこだわりであったそうです。
見学を終えると、すでに外は夜。レッスン時間が迫っているので急ぎます。レッスンを終えて、外に出て来ると、高校生がスマホでしきりに空を撮影していました。何を撮っているのかと尋ねると、ちょうと月食が始まって、良い場面だとのこと。すっかり忘れていましたが、皆既月食だったのです。教えてくれてありがとう。もう少しで、見損ねるところでした。
帰宅するためにクルマを運転しながら街の明かりが届かない暗い場所を探していると、人気の無い鶴岡八幡宮に差し掛かりました。境内は街灯もほとんどありません。そこで車を参道に路駐して境内に行ってみました。
月だけでは距離感や大きさもわかりにくいので、何かと一緒に撮ろうと考え、境内の松の木を入れてみたものの、効果がイマイチ。そこで、思いついたのが大鳥居です。
大鳥居の位置は街灯や車のライトの影響を受けてしまいますが、雰囲気はとても面白い。しかし、街の明かりのせいなのか、明るい星と月以外はほとんど見えません。
自然界だと夜は暗いものですが、人間は何の為に明るくしているんでしょうね?寝ればいいのに。寝ないで何をしたいのだろう?それをする価値とか意味がどれほどあるのだろう?などと色々考えてしまいました。
今日は「アースプラザ」から始まって、偶然に大自然の雄大さを体験する一日となりました。ちなみに、天野さんの写真展は3月まで神奈川県の横浜市内で開催されています。先日の東京ドームシティーギャラリーに比べれば、わずかな展示(20数点)ですが、入場は無料ですし、施設内には世界の文化人類学に関する資料も豊富にありますので、ご興味のある方は訪れてみると良いと思います。
http://www.earthplaza.jp/ai1ec_event/takashiamano_beautyinnature?instance_id=




















