宮崎駿監督作品「天空の城ラピュタ」では人間の科学文明が面白い発展を遂げ、様々な機械たちが登場します。宮崎監督の未来科学はアナログのままの発展型であり、あえてデジタルではないところが特徴です。
つまり、実際の科学技術の発展の歴史とは関係なく、ジェットエンジンやUFOで仮想されている反重力装置などを使用せず、旧来の原始的なプロペラ類で船を飛ばしてしまうのです。この世界観が独特です。その宮崎監督のスタジオ・ジブリ展覧会が都内で開催されていました。
子供たちが多そうな夏休みを避けて行ったはずが、凄い渋滞。外国人も多かった。会場は高層ビルの展望階なのですが、エレベーターに行く通路から行列です。
高所が余り好きではないので普段は滅多に来ませんが、眺めは素晴らしい。環状線が延びる先の左奥には富士山も見えました。私の家も同じ方角です。道路を走ると遠く感じますが、飛べれば、それほど時間はかからなそうです。
会場は撮影可能エリアが限定されています。近日公開予定の「レッドタートル」や過去30年間に渡るスタジオ・ジブリの歴史に関する展示は撮影禁止です。画像は公式HPのものですが、下絵や写真などが多数展示されていました。
これまでに販売されたグッズの展示コーナーもありました。展示のみで非売品です。作品を作るたびに、関係者に作品にちなんだデザイン時計が配られていたことは知りませんでした。
細かい展示と数が多いので、撮影禁止の理由はその内容と言うよりも、撮影による混雑と渋滞を避けるためのようでした。
最新作は紹介を見た限りでは大人のアニメのようです。表現スタイルはアニメですが、深い意味が込められているのです。大人の童話と言われる「星の王子様」や「カモメのジョナサン」を思い出します。
細かい展示は後回しにして先へ進むと、凄い行列。何かと思ったら「猫バス」に乗車するための行列でした。ジブリ美術館でも大人は乗車できませんが、今回は誰でも並べば乗車できるようでした。撮影時間を区切って入れ替え制にしていました。子供たち以上にファンたちが大喜びです。
その先が、撮影が許されているメカ(機械類)のコーナー。壁の絵画も機械類。入り口には動く風車の模型がありました。風力で石油を掘削しているようですが、このシステムはとても古い。シーソー式の掘削ポンプは西部劇にもよく登場します。
入口を入ると目の前に一番見たかった物体が浮かんでいました。ラピュタに登場するプロペラの飛行船です。細部までとてもよくできており、大迫力です。機械というより巨大な魚を想像させます。
そして、メカ好きには嬉しいことに、実際に飛んでくれるのです。モーター音も想定されていたのか、ヒューンといいながら上昇する様子はワクワクしてしまいます。猫バスには乗らなくても良いのですが、コイツにはできれば乗りたかったなあ。
宮崎監督の世界観ですから、本当にトンボみたいに細い羽根のプロペラであんな巨体が浮くのか?下にぶら下がったビラビラは着陸する時に邪魔ではないのか、などと考えても無意味です。
これは台の脇にしゃがんで下から見上げている様子。ロン毛の怖そうなオヤジが模型の周りを何度もグルグル回ったり、這いずっていましたから、周囲にはさぞかし滑稽に見えたことでしょう。でも、本当はしばらく床に寝転がって見ていたかったくらいです。
なにしろ、天井にはプロペラ大飛行船以外にも乗り物が色々ぶら下がっているのですから、見飽きません。壁面には人類の乗り物や動力機械の発明などの歴史が年表に説明されていました。
これらもみんな動いてくれると楽しいのですが、動かずとも模型として再現してくれただけでもありがたい。
自分が乗るとしたらコイツです。他のは古いプロペラ機みたいでしたが、こいつは小型飛行船の複合タイプ。羽根で飛ぶタイプはゆっくりと飛ぶことができませんが、これは上部に気球が付属しているので、気流に任せて浮いていることもできるはずです。これにアイフォンとGPS自動操縦システムを取り付ければ、寝ている間に目的地上空に到着です。
会場を出ると記念グッズコーナーでした。買い物には興味が無いので、一回りして出て来ると、トトロがバス停で待っていました。ちょっと小さすぎるのが残念です。飛行船があれだけの迫力でしたから、等身大サイズで作ってもらいたかったなあ。
地上に降りると、ホンダの次期NSX。価格は二千万円を超えるそうでした。以前に仕事でNSXの組み立てルームを見学したことがありますが、その意気込みとクオリティーは世界に誇れる日本車の一台です。
でも、この日は全く欲しいとは思いませんでした。それなのに、大飛行船の模型は欲しいと思いましたね。実際には乗れないし、どこに飾るのかという話ですが、精神年齢の低い男の脳ミソは所詮その程度なのです。
帰宅途中にあちこちと寄り道をしていると、綺麗な夕暮れに遭遇。ここは鎌倉時代から夕日に照らされる橋の景色が有名な場所である事を思い出しました。
元々は小島と入り江を結んでいた木造の橋でしたが、現在はコンクリで強化されています。普通の近代的な橋ですと情緒に欠けるため、欄干などのデザインは和風建築調でした。
オマケですが、ラピュタの大飛行船が動く様子を見たかったと言う人が多かったので、現地で撮影した動画を短く編集してみました。ご興味のある方はどうぞ。

















