かわいい うちの子のために

<負担付き遺贈>の遺言書を書いたA子さん

安心しても大丈夫ですか?
そりゃ、もう、お金を払ってプロの法律家が
大丈夫って言ってくれたんだから大丈夫に
違いないでしょ。

はい、そこに何も誤りはないのです。
間違っていないのです。
プロの法律家はA子さんに確認したはずです

ペットシッターのHさんはA子さんからみて
信頼のおける方ですか?
あなたの死後、HさんはキチンとA子さんの
かわいい愛犬Bや新しく飼おうとしている
子猫ちゃんのことを面倒見てくれる方です
よねと

依頼者であるA子さんがHさんなら大丈夫と
言われたので、その言葉を信じて、遺言者の
想いとして<負担付き遺贈>の遺言書を作成
したのでしょう。



別にHさんの身辺調査を念入りにした訳では
ありません。
戸籍謄本や住民票などでの確認はされている
かとは思いますが。

確かに、Hさんはキチンとした人で、老犬B
やA子さんが飼おうとしている子猫ちゃんの
ことをしっかり天寿を全うしてくれるまで
世話をしてくれるかもしれません。

でも、A子さんが亡くなった後、300万円
の大金が負担付であるとはいえ、Hさんの
口座に一括で振り込まれました。

さて、老犬Bだけなら、天寿を全うするまで
の期間も短いでしょう。
しかし、子猫ちゃんは もしかしたら15年
くらい預り続けなければならない。

老犬Bだって病に侵されていて、治療費や
手術代がかなりかかるかもしれない。

A子さんは2カ月1度ペット美容室にBを
連れていっておりましたが、そのお金も
馬鹿にならない。

A子さんが遺言書を書く頃はHさんもご主人
とうまくいっていて幸せな日々を送っていた
から、誠意をもって優しい気持ちでA子さん
や老犬Bと接することができていた。

しかし、A子さんが亡くなるころ Hさんは
ご主人と離婚し、生活費にも困窮していた
としましょう。

そこに、イキナリ目の前に300万円が赤の
他人の亡A子さんの遺言執行者から連絡が
あり、自分の口座に振り込まれてきました。

Hさん、この300万円どうするでしょうね

<負担付>といわれても、最初に遺言執行者

からその旨説明されただけで、その後、特に

監視が付いているわけでもない。

さて、
老犬Bと子猫ちゃんはどうなるのでしょうか