鞍ヶ池公園は、愛知県豊田市の市街地東部にあり、かんがい池「鞍ケ池」(くらがいけ)を中心に魅力的な観光施設が点在し、見事な美しい緑に包まれた自然に憩うファミリーパークです。
この鞍ヶ池公園内に「名鉄モ800型」と「名鉄ク2300型」が連結された形で保存展示されています。ちょっと見ると、同型の車両が2両連結されているように見えますが別ものでした。右の手前のモ800型は昭和10年に、左の奥のク2300型は昭和13年に日本車輌製造でそれぞれ製作され、両方とも名鉄本線用では最古参の電車となるそうです。
△名鉄モ800型(右)、ク2300型(左奥)

 
さて、名古屋鉄道(株)は昭和10年8月1日に、名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併して誕生しますが、旧名岐鉄道路線を「西部線」、旧愛知電気鉄道路線を「東部線」と呼び、合併時はつながっていませんでした。合併後に経営課題となった西部線と東部線の連絡線建設を進め、昭和19年9月1日、東西連絡線の新名古屋〜神宮前が営業開始して、金山駅で二つの路線がつながります
△絵葉書 名鉄電車 直通完成(昭和23年5月16日)
 
その後、昭和23年ようやく西部線と東部線の架線の電圧を同じ1,500Vに揃える昇圧工事が完了して、昭和23年5月16日のダイヤ改正により東西路線の直通運転が開始されます。この日より、新岐阜駅(現・名鉄岐阜駅)〜新名古屋駅(現・名鉄名古屋)~ 豊橋駅間を「名古屋本線」と名称変更されました。
この東西直通運転で運行されたのが、鞍ヶ池公園に展示されている二つの車両で、同区間の直通電車として活躍したそうです。
△名鉄モ800型
△名鉄ク2300型
△床が板張り
 
 
ここ鞍ヶ池公園に展示されている理由は、豊田市民が長年待ち望んでいた「名鉄豊田新線」(豊田市〜赤池)の開通(昭和54年)に先駆け、3ヶ月間、この2両編成でレール、信号、列車自動停止装置の作動など数々のテストを繰り返した「試験車両」であったことから、名鉄から豊田市へ寄贈されたものです。いつまで大切に保存してください。
△鞍ヶ池公園には動物園もある(なんか北海道のようだね)
△ヒツジもおる
 △池にボートもある
△スターバックス鞍ヶ池公園店 テラス(コーヒー飲みながら秋の夕暮れを満喫)
 
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