3009号
「スマイルニュース」という素晴らしい自分誌がある。このニュースの中にこういう記事があった。東京都に5万台あるタクシーの中でたった一台だけ車内に「生け花」を乗せて走っているタクシーがあるそうだ。登場人物の鈴木さんは個人タクシーを開業したのは昭和48年という。「おしぼりを出そうか」「コーヒーを出そうか」と、お客様に何かよいサービ
スはないものかと思案していてふと閃いたのが「生け花」である。運転席と助手席の間の僅かな空間に水盤と剣山を固定して花を生けると、後ろの座席からお客様が楽しんでくれるはず、とそう思った。それと、水盤の水を一滴もこぼさず走ったら、運転のうまさと安全性の証明になるとも思ったそうだ。「生け花」なんて全くの未経験ではあったが、迷うこ
とはなかった。花の仕入れは近くの花屋さんに決めた。店の前に立つと、「今日は私を飾って・・」「私は後でいいよ・・」などと花たちが語りかけてくると言う。その花たちの声を聞きながら、一輪ずつ水盤に挿していく。そうこうしていると鈴木さんはあることに気付くようになる。“花には人の心を開き、口を開かせる力がある”と。「この花は死んだばあさんが好
きだったんだよ・・」とか、「今の会社辛いことばっかりでねぇ・・」とか、「これ、本物の花?」「うそ~、そんなわけないじゃん・・・」と語り合うカップル、エトセトラ。「言うは易く行うは難し」、なかなか出来るものじゃない。恐らく東京だけではなく日本全国探してもそうめったやたらと「生け花タクシー」はあるもんじゃない。第一運転が大変だ。普通の運転でも大変なのに、タクシーともなると、やれ、「急いでいるからぶっ飛ばしてちょうだい」・・・






















































