尼助よ、なんでだらぁ~っとしているんじゃ。
おお、弥助どん
じつはな、昨日から腹の具合がおかしくてな
厠(かわや)にこもりっきりなんじゃ
それでだらぁぁ~っとしているんじゃ、困ったことじゃのう。
そりゃ具合悪いじゃろう。
どれ、この薬を飲んでみ、
どうじゃ、楽になったろう。
しばらくして・・・・・・
おや尼助よ、なんでだらぁぁ~っとしているんじゃ。
じつはのう、腹の具合が直ったら、今度は痛くなってきたんじゃ。
で、飯も食う気にならなくて
それでだらぁぁ~っとしているんじゃ、困ったことじゃのう。
どれどれ、この薬を飲んでみ
どうじゃ、楽になったじゃろう
またまたしばらくして・・・・・
尼助がだらだらぁ~っとしている。
なに?うどん屋のみよチャンに振られたってか。
そうか、ならこの薬を飲んでみ
そら、しゃきっとしたじゃろう。
ええか、このくすりはな、偉~ぃ人が作った薬でな、
どんなことにも聞くんじゃ。
飲んだら、だらぁ~っとしていたのが直るんじゃ。
だらぁ~が直る、わかったかな尼助。
てなことから、何にでも効くと言う薬を、商売上手な尼助が作り始めたんじゃ。
そこでついた名前が
『陀羅尼助』なんじゃな???
とここまではせんせのお話じゃ、ほんとかなぁ???
またまたアホな作り話をつくってしもた・・・・・。
昔から大峰の女人禁制の山で修行する山伏たち。
屈強な男たちでも腹下しには勝てなかったそうじゃ。
そりゃそうだよね。
人間いざというときは腹に力を込めてエイヤとやらなくてはならない。
陀羅尼助はな、今から1300年前に役の行者(役小角:えんのおづぬ)が、疫病の流行で苦しむ民を助けるために作り出した漢方薬だそうだ。
今、薬箱にはいろいろな薬が入っている。
昔は陀羅尼助があったら、おなかの薬はいらなかった
傷薬にも 溶かして塗って使ったことがあったそうだ。
みなさん買うてくださいな。