過日、「手術前の検査と診察」がありました。

 

 結果、「手術にゴーサインが出た」んですが、この一連の流れの中で問題になったのは「母の事」でした。

 

 

 

 母は「肺がん(扁平上皮癌)」を患い、自宅で療養していたんですが、「大腿骨骨折」をし、「呼吸器内科の主治医」がいる総合病院に緊急搬送。「骨折箇所をボルトで固定する手術」を受ける事になりました。

 

 「手術」になって暫くして、主治医から「一寸マズイ事になっています。一度手術室に入って下さい」と言わ、主治医と共に手術室に入室しました。

 

 手術台に寝かされた母は、医師から「心臓マッサージ」を受けてました。

 先程手術に向かう母に「頑張って来てね」と声を掛けたばかりの私にとっては「えっ?何で??」ワケが判らなかったです。 

 

 母は「白蝋の様な生気を感じられない顔」になっていました。

 主治医曰く「『眠導入(麻酔)』を開始した途端『心停止』になり、今、心臓マッサージをして戻って来る様に努力しています」 「もう暫く続けてみますので、控室でお待ちください」

 

 控室で「神様、仏様、ご先祖様、どうか母を生き返らせて下さい」と祈るしかなかったです。

 

 30分程して、主治医から「もう一度手術室に入って頂けますか?」と言われ、入りました。

 母は微動だにせず、顔色も「全く変化なし」でした。

 

 主治医から「あれからずっと心臓マッサージを続けていますが、戻って来ません。機械を使って延命措置は出来ますが、どうなさいますか?」と問われ、私は「もう結構です。このままで十分です。有難うございました」と伝えました。

 

 主治医は「〇時〇分、ご臨終です」と告げ、母は旅立ちました。

 

 手術室から出た際、急に足の力が抜けて膝を付きそうになりました。後にも先にも「身体の力が抜ける瞬間」を味わったのはあの時だけです。

 「母の命の選択をした」と言う経験、精神的に「きつかった」です。

 

 

 

 問題だったのは「母が『眠導入した際に心停止した』と言う事実」でした。

 

 麻酔科のDr「極稀に『麻酔をかけた際に心停止を起こす』と言う事象が有る事は知られてますが、私が医者になって40年、実際に遭った方を初めて聞きました。」 

 Drにして見れば「私を眠導入した際に『(遺伝的に)心停止を起こす』可能性がある」と言う懸念でした。

 

 それから色々と話を聞かれ、最終的には「麻酔科医」「執刀医」の判断で「麻酔をかけても大丈夫でしょう」と言う事になりましたが、思わぬ所で「母の事」を思い出す事となりました。

 

 あれから18年程経ちますか…。