脳神経外科の回診(入院当日の記憶と術後の痛み) の続きです。

 

2021年10月7日、耐え難い痛みを感じていた母は医療用麻薬の再投与を望みました。前回フェンタニルを使用した際、呼吸抑制の他に強い精神症状が出たことを知った母は看護師さんが病室を訪れるたびに自分に精神症状が出た時のことを聞いては酷く落ち込んでいました。私が「精神症状は麻薬のせいなんだから気にしなくていいから」と言っても、やはりどうしても気になるようで、複数の看護師さんに尋ねていました。

 

「耐え難い痛みから解放されたい」という気持ちと「みんなから頭がおかしいと思われたくない」という気持ちから、医療用麻薬を再度使用することに対して、母には母なりの強い葛藤があったのだろうと思います。

 

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2021年10月7日(木) 回診

 


来る看護師さんに「私が麻酔してる時どうやった?」って聞いたら、みんな「怖かった」とかね、みんな知ってはるねん。私が十代の頃のことを喋ったからもう麻薬やめろって。

上級医
麻薬使った時におかしくなったことを?それは僕も知ってるし、病棟のスタッフも全員知ってますよ。
 

※正直なところ、私に対してならまだしも、母本人に「おかしくなったこと」と仰るのは配慮に欠けると思いました。回診後、母は涙を浮かべながら「私、頭おかしくなったん?」と何度も私に聞いてきました。


全員知ってはる。ゾッとしました。

上級医
でも、本人さん覚えてないでしょ?だから、そういうの(精神症状)が出ちゃいますよってことですよね。また使ったら絶対出ると思います。


みんなやめろとか言わはった。

上級医
やめろとは言ってないと思いますけど


言わはった。

上級医
そうですか、そしたら申し訳ないです。やめろという意味ではなく、そういうのが出るから使うのは難しいかもなっていう意味でどうなんだろうとは言ったと思いますけどね、意図としては。やめろとは言ってない。


来る人来る人に聞いて、知ってる知ってるって。こない言うた、あない言うたって、ゾッとしました。自分のわけのわからんとこで喋ってるんですから。

上級医
それがどうしても嫌なんだったら麻薬は使わない方がいいと思いますよ。麻薬を選ぶとそういう症状が必ず出ます。出ると思いますね。使う使わないは・・・今日そういう話(痛みが強いから麻薬を使いたい)を仰っていたから。緊急性は別にないじゃないですか。ちょっと時間を持って親子さんで話をして方針と希望を決めてもらって、どうしても使うってなったら使いますけど。使うことを選びますけど。

 

私もしょっちゅうは要りません。全くの時だけです。

※「常時医療用麻薬を使いたいわけではなく、痛みに耐えられない時だけ使いたい」という意味だと思います。

 

上級医

そういう使い方あるのかな?僕もパターンをよく知らないんだけど、〇〇先生(麻酔科)に相談してみますわ、いっぺん。また医局で。〇〇先生(麻酔科)と。

 

でも、ソセゴンは即効性はあるんですよね?

 

上級医

ソセゴンは麻薬に近いものだと思うんです。かなり即効性があるけど、静注で行くと急激な副作用が出た時とかが嫌なので筋肉注射にしてますけどね。静注でも別に構わないですけど。指示変えて「静注も可」とか書いときますけど。そしたら即効性はある。静脈注射。筋肉から入れた方が薬物の血中の濃度の上がりがちょっと緩やかになりますからね。

 

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医療事故から既に1年8ヶ月以上が経過していましたが、その間もずっと疼痛コントロールに悩まされてきました。ずっとです。もちろん一番辛いのは痛みに苦しむ母本人ですが、主治医である〇〇医師(上級医)や病棟看護師さんも遣る瀬無いお気持ちだったこととお察しします。

 

この時期お世話になっていた病棟のK師長さん(2020年4月~2022月3月・現在は副看護部長)は、母だけでなく私に対しても優しく接してくださる方で、「お母様は本当によく耐えていらっしゃると思います」とか「普通の人だったら耐えられないと思います。私だったら無理かもしれません」等と家族の気持ちにも寄り添ってくださり、理不尽な入院生活が続く中、母も私もK師長さんの優しいお言葉に何度も気持ちが救われました。

 

 

医療過誤の経緯に関する記事はこちら→ 医療過誤

 

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