入蔵は普通のお見合いで結婚しました。
亡妻の釣書には趣味は「ペットの世話」と書いてありました。
ペットにもいろいろいますし、ペットの世話が趣味と言えるかどうかは難しいところですが、生き物を育て、世話をするのが好きなことはわかりました。
亡妻の生家では、当時、犬を2匹と猫を1匹飼っていて、亡妻が世話をしていたのは確かでした。
入蔵の幼少期に我が家にカナリアはいましたが、入蔵が世話をしていたわけではありません。
入蔵は高校生のころから金魚を飼っていました。
らんちゅう、江戸錦、オランダシシガシラ、琉金、天頂眼、水泡眼などです。
金魚は熱帯魚のように同じ水槽でたくさんは飼えないので数匹ずつ飼育しました。
特に「猫」「金魚」と名付けたらんちゅうは十年以上生きました。
ほんのたまにあくびをするように口を開ける姿がとてもかわいかったです。
もしかしたら、水質が悪かった所為かもしれないのですが。
その時でしたら、趣味のところに「金魚の飼育」と書くことにためらいはなかったでしょう。
入蔵は自分が釣書の趣味のところに何と書いたか忘れてしまいました。
多分、「読書」とか「音楽鑑賞」とか書いたのでしょう。
考えてみれば趣味も特技も、釣書に書く時は本人の主観にしたがって書けばいいのですから、釣書を読んだだけで「趣味が合う」とぬか喜びをしない方が良いのかもしれません。
たとえ金魚でも、死ぬときは悲しいもので「猫」が死んで以来金魚を飼うのはやめています。
入蔵の次男はとにかくいろいろな生き物を飼っています。
フェレット、ハリネズミ、ベルツノガエル、アカメカブトトカゲ、各種熱帯魚。
ペットの世話をするために遠出ができません。
入蔵が見れば、趣味は「~の飼育」というよりまさに「ペットの世話」のように思います。
でも、彼は趣味の欄に一つだけ書くとしたら、「サバゲー」と書くでしょう。
サバゲーを主要なテーマにしたブログをかいているくらいですから。
今、入蔵は何と書くべきでしょう。
「落語」なのかなあ。
多分、指南所のメンバーで「趣味落語」と書く人は多いでしょう。
一年に、50席も100席も(コロナ禍の今はだいぶ減っていると思いますが)高座をつとめているメンバーはそう書くと思います。
そう書くしかないかもしれません。
そうだとしたら、入蔵が「趣味、落語」と書くのはおこがましいです。
どうしましょう、読書? 美術鑑賞・収集? 能楽観賞? 音楽鑑賞? 切手収集? どれも、それなりだと思いますが、指南所の面々の落語に対する熱量に比べればだいぶ低いです。
入蔵は時間もお金も乏しいですから。
などと言っている間はどれも「本当の趣味」とは言えないのでしょう。
さて、入蔵はとにかく27日に予定通り自作の新作落語を高座にかけます。
前に書いた通り20分で仕上げることに窮しております。
枕無し、内容「薄!」となってしまった噺を皆さんにお聞かせするのは心苦しいのですが、仕方ありません。
とにかく楽しい20分を皆さんと共有できるように力を尽くしたいと思います。
今、次男が食事をしに入蔵がこのブログを書いている食卓にやってきました。
「〇輔、自分の趣味を一つあげるとしたらなんだと思う?」
「僕?」
「映画鑑賞!」
そうなんだ~。
では、また(^O^)/