先月の半ば、近所の自治会館で落語会の高座に上がりました。
ここの高座はお客さんがとても良い(笑わせどころに合わせるように、きっちり笑ってくれる)ので仲間内で最も評判がいい会場です。
自治会主催の落語会らしく、高座に先立って、責任者のご挨拶があり、その中で各演者の紹介がありました。
素人落語の会で演者の職業を紹介する必然性はないと思うのですが、こういう時、大概入蔵は職業を紹介されてしまいます。
そうすると観客の皆さんの中にはそこに強い関心を示す人がいます。
というか、そこにしか関心がわかなくなってしまうお客さんがいます。
大変やりにくいです。
落語をする歯医者などゴロゴロいます。
自分の自宅や仕事場に高座をこしらえて、定期的に落語を披露している人もいるくらいです。
つまり、珍しくはないので、特に「入蔵だけ職業を紹介してどうするの?」とは思います。
読者の皆さんが、「落語会の席亭になる」「運営責任者になる」等の機会がありましたら、できればこの「職業紹介」はおやめください。
さて、11月27日の「かつしか落扇指南所おさらい会」の出番表ができました。
「おさらい会出番表」 11月27日(日)
1 「寿限無」 何処で茂
2 「良い子の歯科健診」 入蔵
3 「粗忽の釘」 タッチン
4 「四人癖」 凡粗R
5 「辰巳の辻占」 蕎麦助
仲入り
6 「ざるや」 清司
7 「居酒屋」 邦衛
8 「猫と金魚」 五燕
9 「時そば」 十番
10 「お楽しみ」 扇好←師匠
仲入り
11 「悋気の独楽」 笑顔
12 「釜泥」 豆太郎
13 「目黒のさんま」 じゅく燃
14 「子ほめ」 あきの助
15 「文七元結」 ミッキー
だいぶ先の催し物なので、時間、順番等多少変わるかもしれません。
上記の出番表に時間の記載が無いのはそのせいです。
入蔵は二番目ですからたぶん11時か11時20分頃に高座に立つことになると思います。
入蔵はおさらい会で年に一度、自作の新作落語をかけることにしています。
今回が3回目です。
一昨年、去年の「鰻の幇間のようなもの」「閻魔の籠脱け」に続く最新作は現代もので「良い子の歯科健診」です。
「鰻の幇間のようなもの」は古典の改作、「閻魔の籠脱け」は江戸時代の笑話をもとにしたものです。
今回の噺は現代もの、それも入蔵の職業に関係したものです。
前二作は、おさらい会終了後に台本を公開しましたが、今回は非公開とします。
患者さんはご自分の事しかお分かりにならないでしょうが、患者さんが「私だけの体験」とお思いになる事を、歯科医師の入蔵はしばしば体験しているという事があります。
落語では、「ネタとして」そういう体験をデフォルメ、アレンジして使っています。
どんなに面白くとも、あまりにも特殊な体験は守秘義務の観点から、普通の落語会の高座にはかけにくいです。
内容はフィクションですが、入蔵の臨床経験を参考にしているので、多分入蔵の歯科医院で治療を受けた方の中には「これ私の事だ!」と思ってしまう方もいると思います。
本当はフィクションとして台本の公開は可能だと思うのですが、そういう訳で前述のように台本は非公開とすることにしました。
もちろん内容はフィクションですが、入蔵の臨床経験を参考にしているので、多分入蔵の歯科医院で治療を受けた方の中には「これ私の事だ!」と思ってしまう方もいると思うからです。
創作のネタになるエピソードには事欠かないので、正直、「なんぼでも長くできる噺」です。
が、先日の稽古で、師匠の前でやってみたところ
「言っときますけど、トリを除いて、15分から20分ですからね」と師匠に釘を刺されてしまいました。
「良い子の歯科健診」という題ですが、老人の健診が済み、子供の健診が始まる前までで、高座を降りることになりそうです。
おさらい会の噺の中ではニ、三人健診したところで終了になると思います。
この噺は一、二時間程度は話していられる内容なので、上記の事情をご理解いただけるお客様の前で、いつか「ロングバージョン」を口演してみたいです。
さて、今日(記事を書いている時点では昨日)は入蔵の近所はとても寒かったです。
明日(正確には今日)は今日より、7,8度気温が高くなるそうです。
皆さま是非ご自愛の上お過ごしください。
では、また(^O^)/