この間の土曜日は扇好師匠の独演会でした。
お手伝いに行かなければいかなかったのですが、16時30分まで治療しなければならない患者さんがいらしたので行かれませんでした。
歌舞伎座の3階で開催される「江戸落語を食べる会(主催:歌舞伎座サービス株式会社 協力:オフィスマツバ事務局)」は18時30分開演でしたので、そちらには行かれました。
中学時代の友人が付き合ってくれました。
入蔵がいろいろな会に無理やり誘う感じなので心苦しいながらも誘うのですが、いつも忙しいところ都合をつけてくれるのです。
本当はお酒が好きな人なので、「終演後一杯いくか」というところなのですが、今はコロナで忍の一字です。
この会も、コロナ禍前は食事も会場でして、会場でお酒を飲むこともできたのですが、今はお弁当をいただいて持ち帰り家で食べる事になっています。
お弁当は「流石歌舞伎座サービスという味」です。
いつも上品な見た目で、本当においしい。
今回のお弁当には雲助師匠の当日のトリネタ「猫定」にちなんだ「三毛猫ご飯(鮭・かつお・胡麻・青のり)」が入っていました。
とてもかわいらしくて、おいしかったです。
江戸東京野菜は「おいねのつる芋」でした。
江戸時代から東京都西多摩郡檜原村に伝わる、サイズは小さいながら味が濃い(当日プログラムからの情報)ジャガイモです。
開口一番は古今亭菊一さんの「たらちね」でした。
噺の中に懐かしい二級酒という言葉が出てきました。
前座さんらしく教わった言葉で高座をつとめているようです。
口跡も良く声もきれいでとてもいい噺でした。
雲助師匠は開口一番に続きお得意の「お菊の皿」から中入り後の「猫定」と夏にふさわしい怪談噺、因果噺でした。
入蔵は師匠の語尾を飲み込むように語られる枕の語り口が好きなのですが、噺に入ってからの江戸弁がさらに心地いいです。
師匠は本所生まれだとか。
入蔵の明治うまれの祖母も本所の4代続いた大工の棟梁(5代目は祖母の弟で、6代目と7代目は大工というよりは建築家になりました)の家の生まれなので喋り言葉や気持ちのありように何か親しみを感じます。
入蔵はつい先日、プロは「引き算と割り算ができる」と書きましたが雲助師匠の噺を聴くとそれが実感できます。
猫定の後半で場面転換の際に師匠が間を取る場面が数回あります。
間を取るという事は沈黙するという事です。
でもそれが実に雄弁な沈黙なのです。
入蔵は語り芸は「間が大事」という事を何度も聞いてきましたし、自分ではある程度は分かったつもりでいましたが、「間」というものは実に雄弁なのだという事がこの会で初めて分かったような気がしました。
コロナ禍の渦中にこのような催しに参加することについては随分悩みましたが、「本当に出かけてよかった」と今は思っています。
毎月開かれている会ですが、入蔵は仕事の関係で土曜か日曜開催で、他の用事がない時しか伺えません。
そうすると入蔵にとっての次の会は10月の文治師匠の会です。
もう少し、安心して参加できる状況になっていると良いのですが。
この会に出かけて調子に乗った入蔵は今日、仕事を終えた後、よみうりホールで開催された「よってたかって夏落語‘22 21世紀スペシャル寄席ONEDAY ロングバージョン」に出かけてしまいました。
心底「プロにはかなわない」と思って帰ってきました。
この会については次の記事でお話したいです。
さて、明日は指南所の稽古日です。
入蔵は13日の寅さん記念館での高座の稽古をしたかったのですが、入蔵が高座にかけたい噺を28日のおさらい会にかける方がいるので、その方の稽古に影響すると困ると思い稽古を休むことにしました。
指南所のおさらい会の後の稽古で、9月の某町会での落語会の噺の稽古をし、そのあとは8月のおさらい会の次のおさらい会に向けて新作を作り、稽古をしたいです。
前々から要望のあった「歯科」を題材にした新作を作る予定です。
そのあとの新作は、「閻魔の籠抜け」のような、江戸末か明治初めくらいの時代設定の噺を創りたいと思っています。
明日も暑いのかな。
コロナで参る前に熱中症に負けてしまっては困ります。
友人の母上も、熱中症で入院になったとか。
家の中での熱中症対策も怠りなく行ってくださいね。
それではまた(^O^)/