「今ハンセン病はほとんど発症しないし、我々が差別する対象ではない」
と
テレビで有名な批評家の方が言っていらっしゃいました。
なるほど、日本では、日本人の発病(発症ではなく発病です)は年に1例あるかどうかでしょう。日本国内での外国人の発病をいれても片手で数えられるほどの症例数だと思います。
伝染力が弱く、治療法も確立しているので、差別的な発想に繋がる要素もないのかも知れません。
「差別する対象ではない」といっていらっしゃるので、間違いはないです。
でも、どうでしょう、差別というのはもともと、差別する対象でないものに対して発生するものでは無いでしょうか?
普通の人がおっしゃったなら、気にならなかったかと思うのですが、正直、入蔵が普段好意を持っている方の発言だったので気になりました。
この病気に関しては、治療法は確立されていますが、、この病気であると診断されていない人、治療を受けられない人がいると考えられています。
発病が人口一万人あたり一人以下になると公衆衛生的にはその国はこの病気を制圧したと考えますから、直近のデータでは制圧していない国はブラジルだけです。
しかし、世界中では大体年に20万人ほどの新規の患者がでます。その人達に差別はないのでしょうか?
日本では、この病気に対する差別はないのですか?
とてもそうは思えません。
前に言ったように、その方の発言が間違っているとは思いません。
でも、冒頭の発言を聞いた人の中には「今ハンセン病はあたらしい発病はないし、我々(でも我々って誰を指しているのでしょう?)は差別していない」と、内容を誤って聞き取ってしまう人がいるのでは無いでしょうか?
入蔵の仕事は患者さんへの説明がとても、重要で、仕事の一つの柱と言っても良いです。
毎回同じ説明をして、そのやり取りの記録が、カルテ一枚に収まらないほど懇切丁寧であっても、患者さんに全くその内容を理解していただけていない事があります。
今日入蔵は、ほぼ同じ説明を5回以上している事がカルテ上明らかな患者さんに、又同じ説明をしました。
患者さんにはすでに、この説明の要旨をまとめた「説明書」をすでに、何回か差し上げています。
入蔵はプロにあるまじきことですが、少し、挫折感を味わっておりました。
その心で、冒頭の発言を聞いたので、上記のような「引っ掛かり」を感じてしまったのでしょう。
テレビに出るような偉い人で良かったと今、しみじみと思う入蔵です。
ちょっと凹んでいるので、今日は少し早く寝ましょう。
ではまた(^^)/