お約束で、昨日ブログが書けなかったので今日ちょっと書くことにしました。

一昨日書いたように五行歌の原稿を書かなければならないので、本当にちょっとになると思います。

 

入蔵が大学一年の時生物学の校外実習で動物園に行きました。

実習のテーマは、「好きな動物を選んで開園から閉園まで観察しレポートを書く」でした。

 

もちろん一日中ずっと観察を続けているというわけではなく、食事を与える時、展示中、飼育舎に帰る時、可能なら飼育舎での様子等の機会をとらえて観察するのです。

 

k君は水族園のオオサンショウウオの観察をすることにしました。

 

入蔵が観察メモを見せてもらうと

  9:45   「サンショウウオは動かない」

12:00  「サンショウウオはまだ動かない」

14:30  「サンショウウオは動いていない」

16:00  「サンショウウオはちっとも動いていない」

結論:サンショウウオは一日動かなかった

という具合でした。

 

このメモから彼がどのようなレポートを書いたのか知りません。

入蔵がフラフラしながら時々水族園を覗くと必ずいたので、もしかしたらずっとサンショウウオの前にいたのかもしれません。

 

どこかの時点で、きっと「まずいかもしれない」と思ったと推察しますが、「後に引けない」という気持ちと、「もしかしたら何かレポートすべき動きがあるかもしれない」という期待で、一日をそこで過ごしてしまったのではないかと思います。

 

実生活において入蔵は「上記のような状態」にその後しばしばなったのですが、これを教訓とすること無く、過ち多い人生を送ってしまいました。

 

入蔵は今日、三井記念美術館で開催中の「驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ」に行き、本郷真也氏の「流刻」というオオサンショウウオをモチーフにした作品を見てこのエピソードを思い出したのでした。大きさ、質感ともにあの時のオオサンショウウオそのものでした。

一日動かなかったオオサンショウウオの周りに流れる「時間ごと」と言うか「時間そのもの」をそこに再現したような作品でした。

 

いつものように、作品評を述べるのは控えますが、現代作家の中には入蔵の子供とそれほど年齢の違わない方もいました。

 

工芸の世界では伝統的な徒弟制度に近い修行をする方と、独学で驚異的な技量を身につける方がいるようです。

 

今回の展覧会には、どちらの作家もいました。

 

作者の来歴を作品の評価に持ち込むのは間違いだと思います。しかし、入蔵は特に、若くして独学でそのような技量を身につける方の生活、修行、仕事の仕方にとても興味が湧きました。

 

さて、今日は例の「江戸、それホント? めぐり」でした。千住大橋付近をめぐりました。

「荒川ふるさと文化館」にも寄りました。評判に違わずとても良い展示でした。

入蔵は、よほど優れた学芸員さんがいるものと拝察いたしました。

展示はわかりやすく、展示品は手入れが行き届いており、レイアウトの美的センスもいいです。展示を通して失礼ながら「荒川区」を見直しました。

皆様にも一度おいでになることをおすすめいたします。

 

ということで、日比谷線の三ノ輪駅から帰ることになり、神谷町の菊池寛実記念 智美術館で開催されていた「八木一夫と清水九兵衛」により、その帰りに銀座線の虎ノ門駅を利用したので三井記念美術館に寄ったのです。

 

八木一夫、清水九兵衛両氏ともに若くして優れた作品を発表し、長く活躍して独自の道を切り開いた方です。

三井記念美術館に作品を展示されていた若い作家も両氏のような作家に育っていくのでしょう。

 

さて、お約束のように本日はここまでにいたします。

 

ではまた(^^)/