教養と、腐らないこころを自らに与えて生きる80年。

 

 

 

作家であり、医師である著者が、かつて自分の祖母を連れてロンドンを旅したエッセイです。

 

現代のロンドンがどうなのかは皆目わかりませんが、わたしの若い頃(1990年~2000年代)はロンドンというとヴィヴィアンウエストウッドを代表として尖ったファッションと伝統が融合するおしゃれな街のイメージでした。

 

(行ったことはない)

 

この旅が行われたのも、その頃なのかな?

 

祖母姫とあるように、おばあさまを姫のごとく扱い、飛行機はファーストクラス、ホテルは五つ星、1カ所出かけたらホテルに戻りお昼寝のお時間をとり、とおばあさまは大変優雅にお過ごしです。

 

「自己肯定感ストップ高の祖母」と書かれているように、愉快痛快なお言葉を数々発するおばあさまですが、地として教養深く豊かな暮らしを日本でもされてきたのだろうなという印象がありました。

 

しかもそれは、ただ環境に恵まれたというのではなく、自分自身の遺志を持ってそうあろうとしてきたのがわかります。

 

だからこそ、最上級のおもてなしを気持ちよく受けられたのだと。

 

「こんな本読んでるんだよ~」と我が母にちらりと言ったら、「いいなあ!いいなあ!わたしも行きた~い!」と言っておりました。

 

「でも、母さん高級な宿で上げ膳据え膳みたいのあんまりすきじゃないじゃん」と突っ込んだら、「ウン、地元のスーパー覗いたり、ホームセンターや本屋を見て歩く旅が好き」とえへへと笑ってましたけどね。