なんとなく、既視感を感じる……。

 

 

 

森博嗣先生、わたしの世代的に本を読むのが好きだ、特にエンタメ系ミステリ系が好きだとなるとまず読んでるというイメージの作家さんです。

 

ですがわたしは通っておらず、一度ネット上で「文章で読んでてもファッションがダサいとわかるのあるよね、森博嗣は登場人物のファッションがダサい」的な発言を耳にして、読者だった友人に「どうなの?」と尋ねたことがあります。

 

彼女の回答は、「登場人物が市井の基準でダサいダサくないと評価するようなパーソナリティをしていないのでダサいとか考えたことなかった。むしろそういう意味で描かれてる服装がダサくて気になるのは有川浩」というものでした。

 

飛び火してしまった有川浩先生ですが、確かにわたしも読んでいて美女!当然ファッショナブルでもあるはず!という登場人物でも頭のなかでそういった像を結ばない印象があります。

 

そういう意味で、小説のなかで描かれるファッションが美しかったり楽しいのは、宮木あや子先生ではないかと思っています。ご本人もお洋服大好きらしいですね。

 

話がそれましたが、この「お金の減らし方」を読んでいると、まさにファッション的な「他人からどう見られるか」に価値を置かず、「自分はどう楽しむか」をしっかりと見つめることが描かれておりました。

 

どう見られるかに無頓着な一方、自分が楽しむために遣うお金を得るために自分はどういう方法を取るのが効率的かを考えるという、徹頭徹尾「I」が主語の、主体的な生き方のススメのようにも読めます。

 

わたし自身が理系の、大学大学院時代は理工系キャンパスに通っていたせいか、こちらの本を読んでいると作家先生の人生訓というよりか、「あのキャンパスには、こういうことを言う男の子がいっぱいいた……」と遠い目になってしまうような本でもありました。

 

学生だけじゃなく、ポスドクや、先生にも、こういうひといたなあ……。