食べるは、たのし。

 

 

いやいやいやいや、文章がうまいなあと一気に読んでしまいました!!

 

田辺聖子先生は、わたしの母よりやや年上。といっても子ども時代の食生活などについてを読むと、北海道の山のなかの農家の娘だった母にくらべて格段に豊かな食を楽しんでいます。

 

生まれて生活していた関西の食文化が色鮮やかに描かれ、なんだかいいなあ。

 

わたしは北海道に生まれ育ちましたが、父方の祖父母は京都と兵庫の日本海側、母方は四国と、西のほうにルーツがあり、食や言葉遣いも西が混じったりしてなんとなく身近です。

 

それから、京料理なども材料が北海道から行ったりしてますんでね。

 

棒鱈の煮たのなど、こちらでは手間がかかるけど安い!!とひと冬に一回は食べて、しみじみおいしいなと思うんですが、京都ではちゃんとした料理屋さんで出てくるお料理と聞いたような。

 

そんな、身近なおいしい!!を描きつつ、返す刀で社会についての鋭い視線も覗かせる。でもけっして嫌みじゃない。

 

さすがの作家先生でありますよ、という本でした。