母が娘を愛するように、娘もまた母を愛している。

 

 

自分を捨てた母と、娘に捨てられた母、自分の母を「ママ」と慕う女性、との四人の共同生活の行方は──。

 

先日のブログで「母と娘」がテーマの本を読んでいて、「母はどこまで背負わねばならないのか」といったぼやきをしましたが、それはほんの冒頭での感想でそんなけちくささは中盤にはいるまでに鮮やかに拭いさられました。

 

母の愛を感じられなかった、信じられなかったというのは、つらいことですが、だからといって「母が愛してくれていれば違う人生だった」「あのひとがああしてくれていれば」といって生きるとどんどん不幸になるというか、他人に自分の人生を明け渡すことになってしまいます。

 

自分で立てるようになったら、感じられなかった愛が確かにそこにあったことに気づくかもしれない。

 

自分のなかにあふれていた母への愛に気づくかもしれない。

 

そんなことを信じたくなるような小説でした。

 

ラストでは泣いちゃった!!