へんてこなお話が、核心をつくことはあるのか。
白石一文先生は、ずっと前に『僕の中の壊れていない部分』を読んだっきりでした。
そのときの読後感が、「な、なんか日本の文学界で評価される要素てんこもりって感じだな……」でした。
なんかこう、社会にそぐわない青年がいろいろとインモラルなことして、そこに性をトッピング、みたいな。文学界、こういうの好きだよね。みたいな。
ですがこの『ファウンテンブルーの魔人たち』はなんだかすごくへんてこで、後から後から「えっ、そうだったの!?」という驚きがどんどん出てくる。
なんだか、ふざけているんだか真面目なんだかよくわからない、けれど社会の抱える問題の核心を身も蓋もなくついているような気もする。
例をあげると、読んだときの驚きがなくなりそうでなにも言えませんが、そ、そうかも~!?って思ってしまうこと多々あり。
オチはあれでよかったのかな……なんも謎解けてない気がするけど……。
