スピリチュアルというか、見えない世界のことって、ひとによって言ってることがバラバラだったりして、

 

同じひとでも「あのひとのこういう発言はうんうんって思うけど、あれはちょっと信じられないな」と感じることもありますよね。

 

ちょっと似てるなと思ったのは、大学院の研究室での採取した植物の同定です。

 

同定というのは、これが何という名前の種の標本なのか見極め定めることなんですが。

 

普通に考えて、実物が目の前にあって、植物に詳しいひとがめちゃくちゃいて、わからなければ調べる文献が本棚にいくらでもあれば、サクッと「これです!」となると思いますよね?

 

……そうはならないんだな……。

 

そうなるものもあります。特徴がはっきりしていたり、その植物があるところをよく見ていて通年の変化を観察したりしていたらわかりやすいですね。

 

でもですね、葉っぱのついた枝一振り前にして、専門学校とかなら講師として教えられるレベルの学生でも図鑑と引きくらべて、「多分、○○か××だと思うけど確証がない……」とかなります。

 

それで先生に聞きに行きます。世界中で調査をして、研究者の間でも「あのひとは植物をよく知ってる」と言われるようなかたです。

 

「△△だね」

 

ええ~……、そうかなあ……??

 

別の先生にも聞きに行きます。植物学については重鎮の先生です。

 

「採取地あそこでしょ、◇◇だよ」

 

また違うの出てきた~!!!

 

これ、あるあるです笑

 

なんでそうなるかというと、植物のこの種はこういう特徴がありますって図鑑には書いてあるんですけど、植物には個体差があるし、季節や環境によっても結構違う部分があるんですよ。

 

で、先生方っていうのは豊富な経験によってデータが蓄積され、ぱっと見て「これはあれだ」と判断する基準を自分のなかに持っています。でもその判断基準って限りなく正解に近いであろうけれども、万人すべてが同じではないんだな。

 

学生はそういうのないので図鑑見ながら「葉脈に毛がはえてるって書いてあるけど、……生えてる??」とかルーペ覗きながら、うんうん考えます。

 

DNA配列を調べれば一発なんじゃないかな~と思ったりするけど、それもまた手間と時間とお金がかかる。

 

あと、その種だと断定できる特異的なDNA配列がわかっている種なのかどうかというのもあります。

 

ちなみにわたしは専門が動物でしたが、動物の食べる植物を調べていてこの問題にぶちあたったことがあります。

 

図鑑調べて「これか、これか、これ!!」して、詳しい先輩に聞きに行って候補にない種を出され、先生に聞いて「これか、これか(略)」のひとつだと言われ、別の偉い先生に聞いて「これか(略」の別のひとつだと言われ。

 

やけになって、標本と「本命○○、対抗 ××、大穴△△、あなたはどれに賭ける?」と研究室で多数決取りました。

 

ま、最後は現地で現物を見た自分の考えからひとつに決めて、それで論文書きました。

 

自分の論文なので、自分の責任ですし。

 

見えない世界でも同様のことが起こってるんじゃないかなと思うんですよね。そして最後に信じるべきは自分自身だと思います。