軽く読める本が読みたかった!
群ようこさんの本というと、かるく、ゆる~っと読める文章のイメージがあります。といってゆる~く書かれたものではなく、文章がプロのお仕事だからそう読めるのですが。
小学生~中学生ぐらいのときによく読んでおりました。
こちらは群ようこさんの綴るファッションについてのエッセイ。前巻にあたる「衣もろもろ」が興味深く面白かったので、読んでみました。
わたしは遅く生まれた子なので、群ようこさんはわたしの母よりひと世代若いくらいの年代のはず。
なんですが背が低いなどの体型的な悩みが似通っていたり、服を着てみてなんか変?と母に「なに着ればいいと思う~?」とか話してるときみたいな身近なファッション感が楽しいです。
といいつつも、ちょこちょこと出てくる洋服のブランド名などに、東京という都会で、作家というメディアに出るお仕事をして自分に潤沢なお金をかけることのできるひとの感覚の鋭さや華やかさも感じます。
ご本人はつつましく感じているようにお見受けしますが、やっぱり田舎のおばちゃんとは違うな~!となりました。
このへんやっぱり小中学生の頃読んでいた、酒井順子さんのエッセイにも感じる点です。
子どもだった頃は、働く大人の女性はこんな感じなんだ~なんて、ぽえ~っと読んでいましたが!
酒井順子さん、学生のときから雑誌連載を持っていたバリバリメディアのひとで、かつ会社員としても超大手企業の総合職!
そして都内にご実家があり、私立に通われてらした!
そんなね、田舎から出ていった凡百の小娘、就職しても酒井順子さんのエッセイのような生活できませんよ!
話を、こちらの本に戻します。
日々の日記を綴るように、衣に関するあれこれを書き記した本です。
洋服やその小物に関する記述も面白いのですが、「ほう~!」と身を乗り出しちゃうのは着物に関するあれこれのお話かな。
そんな布があるんだ~、へえ~衿ひとつとってもそんな工夫が!と、いいものを自分の頭で考えて選び取りながら着てきたかたならではのお話が興味深い!
あとは前巻ではほとんどなかった猫のしぃちゃんとのお話がかわいいです。
群さんが着物を着るとお出かけの気配を察して不機嫌になってドスをきかせて泣きわめくしぃちゃん、目に浮かびます(笑)
pickで貼ったリンクの価格表示見ると、いま文庫でも新刊では流通してないみたいですね?
この文庫やコミックスが発売後十年も経たずに新刊で手にはいらないという現状、ちょっと悲しいです。
単行本で出されても、文庫が出ると単行本の在庫が断裁されてしまうという作家のかたのお話も読んだことあり。
本はできるだけ、読みたいひとの手に届くものであってほしいと願います。
そのぶん電子書籍が出てはいるんですけどね。