読書です。着物です。

 

 

 

 

わたしのばあちゃんは介護が必要になるまで、毎日自分で着物を着て、帯結んで、割烹着着て生活していました。

 

ばあちゃんといってもわたしの父は祖父方の血筋から養子に来たひとなので、一滴も血が繋がってないんですけどね。

 

んで、まあ毎日着るもので、ばあちゃんだから、着物といっても華やかなものは一着もなかったんですよ。

 

煮染めたような色の着物をぺちゃんこの帯でゆるゆる着てました。

 

なんですけど、なんとばあちゃんはじいちゃんの死後20年ほどで、じいちゃんの遺産一億円にちょっと足りないくらいを全部着物に費やし、少額の借金まで作っておりました!!

 

お、おそろしい~!!!

 

近所の呉服屋さんとこ毎日行って喋ってたんですけどね……、折り合いも悪い息子である父夫婦や孫たちの文句でも言ってるのかと思ったら、母によるとばあちゃんは余所で家族の悪口を言うことは一切なかったと。

 

ならちいさい頃のわたしにも散々聞かせていた「わたしは家が貧しくてひどいめにあって病気になってひどいめにあって○○でひどいめにあって……」的な話をしていたんでしょうか?

 

え、それだったら「孫が生意気で意地悪で」って言われていたほうがいいな……。

 

ばあちゃんはとてもちいさいひとで、身長的にばあちゃんの着物は同じく背の低いわたししか着られないかな?と考えていたんですけど、ばあちゃんの死語、やはり養子の叔母さんが全部持って行ってしまいました。

 

それがだいたい十五年ぐらい前のお話です。

 

近年になって母の姉妹たちから、わたしにと着物をいただくことが増えました。

 

母は七人兄弟、うち五人が女。

 

この本で知ったんですがちょうど昭和の着物ブームの頃に女盛りだったとあって、手習いごとや冠婚葬祭、子どもの式典などで誂えた着物がある。

 

しかし母の姉妹、どうも男を産みやすい。娘がいてもみんな堅実で現実的で、着物なんて着てみよっかな~としそうな酔狂な女は従姉妹のなかでわたしひとりしかいない。

 

そんなわけで母の一族の着物がすべてわたしのもとに集まろうとしています……。

 

着付けもできないのに!着付けもできないのに!

 

でも着物着たいな……衣料として素敵だし……。と思って着物の本はよく読みます。

 

青木玉さんのとか、宮尾登美子さんのとか、群ようこさんのとか読みました。

 

でもさ~!↑のお三方の着物、素敵すぎるのよね!!!

 

 

 

こちらの本で出てくる着物は、身の丈にあった着物で、お着物といった感じではないのがよいです!!

 

だって冒頭から着物着て犬の散歩行って、うんち拾って、犬連れて飲みにいっちゃうのよ!!

 

それでいて、着物独特の合わせ方や決まり事、マナーをばっさばっさと論理的に解体してくれます!!

 

着物の格だの着付けのルールだのにはせいぜい百年程度の歴史しかなく、ほとんどが着物業界の戦略だったって知ってた!?

 

もうほんと、気にせず着物着よ!!ばんばん着よ!!

 

ばあちゃんのこと、ずっと嫌いだったけど、歳をとったときに好きな着物をゆるゆるに着て目くじらたてられない世の中になってればいいな!!