『La Vie en Rose』
ジャン・フォーレエ監督作品、フランス
フランソワ・ペリエ様、ルイ・サルー様、コレット・リシャール様、
シモーヌ・ヴァレール様、ギュスターヴ・ガレー様、ジャック・メルシエ様他
風采の上がらぬ中学校の教師が自殺を図るが未遂に終わり、同僚に助けられた。
傍らに落ちていた日記には、校長の娘とラブレターをやりとりする、
偽りの事実が描かれていた。残酷な喜劇とも思える作品で、
主人公の痛ましさには胸を締め付けられる。(Amazon Primeより引用)
現実的に残酷な内容でした。
丁度同じ年に大ヒットしたエディット・ピアフの曲がタイトル。
その内容は、凡庸なまま年を重ねた、ロマンティストな教師が「現実」と思った世界。
校長の純粋で美しい娘とのロマンス。
彼はそれを丁寧に丁寧に日記に綴る。玉手箱のように。
でもそれは、見る方向を反転させたら全て偶然を彼が誤解したり、
無邪気な悪意に騙されて、彼だけが見た夢の世界。
現実には、恐るべき子供たちの無邪気な悪戯。
そこにある悪意はあまりに幼過ぎる。
そして、これは年齢を問わないけれど、団体になったニンゲンの残酷さは、
その中に「そこまでは行き過ぎ」という者が居ても、暴走する。
教師の後輩は、彼が娘と現実的恋愛をし、主人公を嘲りの目で見られている。
主人公を除いた、世界では、これは喜劇。
主人公より現実を見ている者にも、容赦ない残酷さが襲う。
どちらの方がより悲劇なのか解らないけれど、
彼らを貶める側に居る者が、現実にも多いのだと思う。
自分だって、その中に居たことがある。
でも、誰にも、主人公の傷ついた心は癒すことは出来ない。
むごい「人間性」のお話でした。