『バラ色の人生』(1948)拝見、全然バラ色じゃない~!!! | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

『La Vie en Rose』

ジャン・フォーレエ監督作品、フランス

 

 

フランソワ・ペリエ様、ルイ・サルー様、コレット・リシャール様、

シモーヌ・ヴァレール様、ギュスターヴ・ガレー様、ジャック・メルシエ様他

 

 

 

 

風采の上がらぬ中学校の教師が自殺を図るが未遂に終わり、同僚に助けられた。

傍らに落ちていた日記には、校長の娘とラブレターをやりとりする、

偽りの事実が描かれていた。残酷な喜劇とも思える作品で、

主人公の痛ましさには胸を締め付けられる。(Amazon Primeより引用)

 

 

現実的に残酷な内容でした。

丁度同じ年に大ヒットしたエディット・ピアフの曲がタイトル。

その内容は、凡庸なまま年を重ねた、ロマンティストな教師が「現実」と思った世界。

校長の純粋で美しい娘とのロマンス。

彼はそれを丁寧に丁寧に日記に綴る。玉手箱のように。

 

 

 

でもそれは、見る方向を反転させたら全て偶然を彼が誤解したり、

無邪気な悪意に騙されて、彼だけが見た夢の世界。

 

 

 

現実には、恐るべき子供たちの無邪気な悪戯。

そこにある悪意はあまりに幼過ぎる。

そして、これは年齢を問わないけれど、団体になったニンゲンの残酷さは、

その中に「そこまでは行き過ぎ」という者が居ても、暴走する。

 

 

 

教師の後輩は、彼が娘と現実的恋愛をし、主人公を嘲りの目で見られている。

主人公を除いた、世界では、これは喜劇。

主人公より現実を見ている者にも、容赦ない残酷さが襲う。

 

 

どちらの方がより悲劇なのか解らないけれど、

彼らを貶める側に居る者が、現実にも多いのだと思う。

自分だって、その中に居たことがある。

 

 

でも、誰にも、主人公の傷ついた心は癒すことは出来ない。

むごい「人間性」のお話でした。