『살인의 추억(殺人の追憶)』(2003年)拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 
それぞれの記憶はどこへ向かえばいい・・・
 
 
ポン・ジュノ監督作品、韓国、132分
 
 
ソン・ガンホ様、キム・サンギョン様、パク・ヘイル様、ピョン・ヒボン様、
チョン・ミソン様、キム・レハ様、コ・ソヒ様、シム・ソンボ様、パク・ノシク様他

 

実際に起きた未解決連続殺人事件をテーマにした衝撃サスペンス
韓国で560万人を越える動員数を記録。
 
 
事実を基に綿密に構成された脚本緊迫感あふれる映像で、
犯人を追う刑事たちの焦燥感が身近に迫る。」
 
 
「1986年10月23日、農村で若い女性の変死体が発見される。
地元の刑事パクは地道な取り調べを始めるが、
現場は大勢の見物人で荒らされ、なかなか証拠がつかめない
やがて、第ニの事件が起きてしまう。」
(Yahoo!映画より引用)
 
 
「華城連続殺人事件」は、1986年9月から1991年4月にかけて、
京畿・華城で起こった10件の殺人事件
 

実際に起きた事件を元に描かれた作品。

 

 

 

 

警察の捜査法、取り調べに関して、

世界各国、どのような尋問をしているか。

実際の現場のことは、みどりはもちろん、知りません。

 

 

 

 

 

 

 

気の毒なくらい、現場が荒らしまくられる。

あの頃って、そういう認識だったのかな・・・

鑑識到着前、協力が得られないまま、証拠が消えまくる

 

 

 

 

 

そして、連続殺人で大騒ぎになっているのに、

夜間、女性一人で平気で人気のない道を歩く

 

 

この作品で観る限りにおいては、当時の韓国の捜査

かなり手荒なものだったようです。というか、日常生活もかなり喧嘩腰?

事件自体、とんでもない連続殺人で、

現場でも、捜査する側の警察の人々の心身ともにの疲弊等、

映画は丹念に描き出しています。

 

 

 

ラストシーンでは、犯人はまだ生きて近くにいると知った、

警察官から転職し、生活しているソン・ガンホ様の、

クローズ・アップで幕を下ろします。

 

 

 

 

ガンホ様のお顔のクローズアップ

 

 

証人をあと一歩のところで事故で亡くし、救えなかった時

 

 

同僚の暴力刑事が、尋問で容疑者達を蹴り続けた足を、

酔った末の喧嘩の場で、自分が蹴っていた元容疑者から受けた傷がもとで、

破傷風となり、切断しなければいけなくなる。

身内が居ない彼の、手術の同意書にガンホ様がサインしなくてはいけない時

今度こそ犯人と思った男が違うと解った時

 

 

 

どのクローズアップも、記憶に焼き付けられるような形容できない表情

映画製作当時、犯人が見つからない未解決事件だっただけに、

切々としたラストシーンやるせなくも印象的な作品でした。

 

 

以下、事件に展開があってからの記事

監督のお言葉もあるので、引用させて頂きました

 

 

ポン・ジュノ監督作「殺人の追憶」のモチーフとなった

“華城連続殺人事件”の捜査結果が7月2日、

韓国の京畿道警察庁によって正式発表されたと、

韓国のメディアが一斉に報じている。

この結果、34年に及ぶ捜査に終止符が打たれることになった。

 

 

1986~91年に発生し、10~70代までの女性10人が強姦・殺害された

“華城連続殺人事件”。03年に発表された「殺人の追憶」は、

同事件を題材にした戯曲を原作とした作品だ。

警察は、19年9月、最新のDNA鑑定を駆使した捜査によって、

刑務所に収監されていたイ・チュンジェを犯人として特定

 

 

その後、計14人の女性強姦し、殺害していたことが発覚している。

さらに、イ・チュンジェは14件の殺人に加え、34件の強盗・強姦事件を犯したと主張

この34件の事案については、

被害者の捜査協力の拒否や証拠不十分を理由に、9件の立証に留まっている

 

 

 

イ・チュンジェは、94年1月に妻の妹を強姦・殺害した罪で無期懲役に。

収監中にも同様の事件が起きていたため、

“華城連続殺人事件”との関連性を疑われず刑が確定した。

“華城連続殺人事件”に関しては、既に時効が成立しているため、

罪には問えないようだ。

 

 

 

映画.comでは、19年11月下旬、「パラサイト 半地下の家族」

プロモーションで来日を果たしたポン監督にインタビューを実施した。

その際に“華城連続殺人事件”の進展について、

コメントを求めている。最後に、その発言を再掲しておきたい。

 

 

ポン監督「犯人顔写真が公開された時は、妙な気持ちでした。

『殺人の追憶』を準備している時から、

犯人の顔を見てみたいと思っていたんですが、

きっと“永遠に見ることはできない”だろうと思っていたんです。

まさか、こんな日がくるとは思ってもいませんでした。

 

 

 

犯人として特定された人物は、二十数年間、刑務所に入っていました。

ところが、囚人たちのDNAをデータベース化するということになり、

その作業の際に犯行が明らかになったんです。

 

 

同じ刑務所に収監されていた人の話を聞いたところ、

犯人は『殺人の追憶』を鑑賞していたようなんです。

『(刑務所内の)テレビで放送されているのを見ていた』と言っていましたね」

(映画.com ニュース 2020/07/03)

 

 

犯人は、精神的に、罪悪感を持たない病との記事もありました。

事件のやるせなさ。少なくともこの作品は「時効」なく語り続ける