傾向もペースもかなり戻った?
人生、そういう側面じゃないだろう、今、なのだが・・・
『Denial(否定と肯定)』(2016)
ミック・ジャクソン監督作品、イギリス・アメリカ、107分
レイチェル・ワイズ様、ティモシー・スポール様、トム・ウィルキンソン様、
アンドリュー・スコット様、ジャック・ロウデン様、ハリエット・ウォルター様他
Denialの意味は「拒否」、『肯定と否定』、映画の「看板」としての、
華やかさ?には欠けるかもしれないものの、作品自体がシビアですし、
難しいところを、誠実に、邦題化されているように感じます。
ネオナチ、ホロコースト否定、話や写真で多少は知っていても、
実際にあった裁判を題材として、リアルに提起された一編。
「真実」と信じていることを述べるのは、「嘘」という罪には問われない。
言論の自由から、自分の主張を述べるのも罪ではない。
裁判では、論点が問題となるので、「思想」は争点ではないとも言える。
判決によったら、ナチスの肯定ともとれる判決となりかねない。
歴史学者デボラ・E・リップシュタット著、
『ホロコーストの否定:真実と記憶への増大する攻撃』発刊が1993年。
その中で、ホロコースト否認論者としてデイヴィッド・アーヴィングの名が載り、
1996年に名誉棄損で訴訟。敗訴、控訴棄却で終結するのが2001年。
身震いするほど恐ろしい現実。
当然に存在する「ユダヤ人」だけでない、様々な差別の根強さ。
それが集団になって、肯定されることによる勢い。
侮蔑する対象を持つことを、自己肯定に繋げるという図式を、
ニンゲンは、どの時代でも持ち続けている。
作中、講義の中で語られる、多数の中で反対を主張するのは難しいということ。
戦争を考える時、常に一番大きく感じることです。
その、自分への嘘をつかなくてはいけなくなる日が来ませんように。
かなりハードな映画。和ませてくれる場面は、
↓ の、わんこさん登場場面。
☆
『Get Out(ゲット・アウト)』(2017)
ジョーダン・ピール監督作品、アメリカ、104分
↓ 珍しく、日本版のポスターが、結構イケてる。
ダニエル・カルーヤ様、アリソン・ウィリアムズ様、キャサリン・キーナー様、
ベティー・ガブリエル様、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ様他
ジャンルは、ホラーかコメディらしいです。
こわいです。ホラーとは違った意味で。
しかも、『肯定と否定』の後に観てしまったので余計怖い?
ふざけて言うのではなく、肯定と否定が最悪の形で合体したような話で。
あっけらかんとした白人の美人彼女の実家に同行する、
かなりかっこいい、カメラマンをしている黒人の彼。
だが、彼女の実家は、「どこか」おかしい。
家族も「どこか」変だし、使用人の黒人も「どこか」不自然。
パーティーに集まって来る人達も全員「どこか」妙!
母ちゃんに催眠術かけられて、禁煙させられちゃうなんて、
不気味さの子手始めでしかない!
母ちゃんが、キャスリン・キーナー様ってのがまた、怖すぎる。
「帰るぞ!」宣言に、彼女も従うがなかなか車のキーが見つからない。
あああ、そして~っ!
よくまあ、こんなこと考えつくもんだよ、な作品。そこがまたこわい。
ある意味、ナチスドイツの人種問題は、
どこかにこういう面を含み持ってはいないか?と、
うがったことを考えてしまいました。
どちらの作り手も本意ではないでしょうが、
『肯定と否定』と、セットでご覧になられると、
「どこか」考え込んでしまうものがある作品です。
あらゆる差別意識の、根底にある意識の一部を垣間見るような。
そして、持つべきは友???
☆
『殺人犯の心理学 劇場型犯罪』
うさぎくん様が絶妙なタイミングでおすすめになられてらして、
観ちゃいました、また。
すみません、予告ないです。 ↓ 本編だわ。怖がりさんはやめて下さいね。
ディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー。
え?えええええ!?
ブラック・ダリア事件って、ほぼ真犯人の目星がついてたの!?
そんな、三億円事件みたいな・・・
その上、なんですと~!?
な、びっくりな内容です。