「あるスキャンダルについての覚え書き」の孤独 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。


現実と空想は異なるとは言うけれど・・・


現実より、フィクションの方がきついって!?な一本。


Notes on a Scandal(あるスキャンダルについての覚え書き)」
↓ 覚え書き、執筆中。





中学校の美術の先生と、生徒の不倫。


その先生の、厳格な先輩歴史教師による、巧妙な告発での事件発覚。



20そこそこで、年上の教師と結婚し、二人の子供を持つ、
若い先生を、Cate Blanchett(ケイト・ブランシェット)様。
その年上の夫に、Bill Nighy(ビル・ナイ)様。






「バスの運転手と手が触れただけで意識する」という、
男性と全く縁がなかった、定年間近の先輩教師に、
Judi Dench(ジュディ・デンチ)様。




強力な布陣で描き出されていたのは「孤独」でした。
教師と生徒の恋愛事件そのものは、日本でも大々的に報道されたので、
記憶に鮮明ですが、その事件は、「社会的」に問題だっただけで、
お二人の関係自体は純愛、元教師の、刑期終了後、ゴールイン。





この映画は、犯罪となる程の年齢差の教師と生徒の関係、
という所だけがモデルで、テーマも内容も全く関係ないようです。
通常は、シリアスな役でも、温かみのあるキャラクターのデンチ様。
ここでは、愛猫と日記にしか心を曝せない中、
特別な好意関係と思った、年下の女教師への執着。


裏切られたと思った時の凍りついたような眼が印象的な、
いつもとまるで違う面を、演じて下さいます。


ビル・ナイ様とは「マリーゴールドホテルで会いましょう」ペア。
あの、人生前向きな高齢集団のペーソスとは無縁で、
映画って面白い。やたら家にやってくる妻の同僚が鬱陶しい夫。
マリーゴールドの二人が、心中嫌い合ってる役どころに。
妻の行為を知った夫との、「年下の男に惹かれるのは解るが、
生徒とは、言語道断だ!」「あなたに言われたくないわ」「君は20だった!」




という、激しい夫婦喧嘩を、にんまり階段の上から見下ろすデンチ先生。
「オーメン」のダミアン様みたいです。


ブランシェット様が、特典映像で、キャラクター分析されてらして、
愛し合う相手がいない、独身の老教師と、

家庭や仕事に恵まれているとはいえ、人生の達成感が持てていない女教師の、
ふたりの女性の孤独を描いた映画・・・と、はい、端的にまとめて下さいました。


独身のみどり、我が家ににゃんずが3にゃん。
う~む・・・デンチ先生、他人ごとじゃない?
高齢で、段々と衰えているデンチ先生の、にゃんこの名前を刻んで貰った、
ブランド物のフォトフレームをプレゼントする、ケイト先生。




でも、いよいよにゃんこが、安楽死させるしかなくなった時、
一緒に病院へ迎えに行ってほしいと言って来たデンチ先生を拒絶。



しかし、ここ、ケイト先生的にはしかたないんですよね。
ダウン症の息子が、学校で始めて舞台に立ってお芝居するのを、
家族皆で観に行くところなんだから。そりゃあ、デンチ先生、聞き分けないと。


でも、自分が本当に辛い時に、この人に傍に居て欲しい・・・と思った相手に、
すげなくされるってのは、きついものなのは解る。


しかも、男子生徒との関係を知っても、あくどくはあれ、
アドバイスし、助けたと思ってる相手。
昔、職業柄、人様の相談事を聞くことが多かったのも、みどり、似てる?



だけど、デンチ先生、自分の耳に都合がいい答えだけ求めている相手程、
こっちに悩みが出来た時、冷た~くて、全く聞いてなんかくれないか、
もっとひどかったら、傷に塩を塗り込んでくれるって、
解ってて下さいよ~、定年間近の年齢まで行ってるんだから。


仲良しと思ってた他の先生にも、ストーキングで訴えられちゃったんでしょ?
あらら、私も冷たいですね、ごめんねデンチ先生。
いかず後家仲間なのに~。

その後、事件。夫が離れて考えたい、と言って、別居するにあたり、
デンチ先生宅へ、のケイト先生。ご都合主義だなあ。


ま、デンチ先生も悦に入ってるんでどっこいどっこい?
閉じこもって落ち込んでたら、ゴミ箱から、デンチ先生の日記の書き損じを発見。






彼女への初印象、わざとらしく着崩しているのが意識的だ。( ↓ ここ。)



といった所から、私と彼女は通じ合える、だの、
ぎっしり書き込まれたのを読んで、半狂乱。
ケイト先生、自分がしたことは遠い棚の上。デンチ先生がすっかり悪者。



デンチ先生の帰宅を待って、すさまじい喧嘩が繰り広げられるものの、
事件に至った生徒への執着、大したことないんですよね。




デンチ先生の所を去った後は、夫の元に戻るし。
絶妙な具合で、ブランシェット様が演じておられますが、
装いやしぐさに、強い自己顕示欲があるケイト先生。



優越感の出し方も、同僚との会話や態度にちらほら。
ま、多少の偽善なくして、円滑な職場環境はありえん?



生徒(しかも、生徒の中ではイケてる)の、熱烈な情事は、
そのあたりが充たされない、はけ口でしかないんじゃないかと思いましたわ。
生徒の方は、デンチ先生を追いかけ、玄関すれすれで逃げ切られ、
ヤモリのように、扉の硝子にひっついて・・・哀しいホラー状態で終わりだし。


デンチ先生も、ケイト先生の前に、別の女教師にストーキングしてたのがばれ、
辞職・・・後も、街を見下ろす丘の上のベンチにて、
またまた孤独げな若い女性に声をかけ・・・何だかサスペンスのようなラスト。


一番かわいそうなのは、
母ちゃんのゴシップで迷惑こうむったお子さんと、
デンチ先生のにゃんこさんでした。


お口直しに?なかなか美形でらっしゃる、
モデルとなった事件の、問題を乗り越えて、お幸せに・・・写真。






のっぽさんとちびっこさんの主演お二人のプロモーション写真。



本日も、にゃんずのご飯係の、行けず後家みどりに、
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