第三百九十三夜・あの頃、「タワーリング・インフェルノ」 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

パニック映画全盛期の一作


劇場も振動するシステムで上映された「大地震」、前に記事にさせて頂いた「カサンドラクロス」

・・・1970年代、豪華なキャストを揃えた、パニック映画が流行った時代がありました。

CGの進化で、昨今も、とても多くの作品が作られているけど、時代色が違いますねえ。

日本で言う「昭和」???

その金字塔とも言える1974年John Guillermin(ジョン・ギラーミン)監督作品、

The Towering Inferno(タワーリング・インフェルノ)」。訳して、そびえたつ地獄。

超高層ビルの大火災が描かれます。





私たちが主役です。消防隊長オハラハンにSteve McQueen(スティーブ・マックイーン)様、

高層ビルの設計者、ダグ・ロバーツに、Paul Newman(ポール・ニューマン)様。

今やお二人とも故人・・・信じられない。私の白髪が増えて当然だわ。 


あ、で、この贅沢なキャスティングの映画で、主役がWで表記されているけれど、

がっつりスペシャル表記、Fred Astaire(フレッド・アステア)様。

「That's Entertainment!(ザッツ・エンタテイメント)」と同年のご出演。

サンフランシスコに完成した、138階建てのグラスタワーの落成式に集まってくる客の一人。

しょぼい?株券詐欺師ハーリー・クレイボーン役。

タクシーを降りて、タワーを見上げる場面。 




鼻の穴まで撮られてもエレガントなお人。

詐欺でひっかけようとしているのが、居住部分の住人で、富豪の未亡人リゾレット、

演じるは「慕情」の、Jennifer Jones(ジェニファー・ジョーンズ)様。 



この映画自体が、いくつかの人間関係を織り交ぜて展開していく、

その中心の時間軸がこのお二人にあるように感じるのは・・・はい、ファン心理でしょう。






老境に至って、騙し騙されの関係の筈が、未亡人、とっくに詐欺を見抜いてて、

お互いの中に、通い合うものを得る、幸福な時。135階での落成式典。

アステア様が踊られる。もう、それだけで夢のような場面です。

そんな中、ビルの中では、81階のヒューズから火花が・・・火災が発生している。 




昔、実際に火事を見たことがあります。空き家での火事で、家が燃えただけでよかった。

歩いていて、前方に煙が上がっていて、後ろから来たおじさんが「ありゃあ火事で」と。

その日の目的地に行く道筋にちょうど、その家があり、そこについた時は、

家の中から煙が出ている状態。「誰か、消防署に電話したか」とか、声が聞こえている段階。

実際に消防車が到着するのに、5分かかったかどうか。 

でも、その間に、あっという間に炎が燃え上がり、家が焼き尽くされていくのを、

ただ、驚いて見ていました。この映画でも、火花が散ってから、燃え広がるまで、あっという間。




緊急避難が出された時には、既に、エレベーターも使えない状態。

人生の終焉近くに出会えた、心から大切に想える人。

この地獄絵図を生き延びて、一緒に人生を歩みたい。 


リゾレットの友人家族が居住スペースに取り残されていることに気付き、

ダグ等の助けを得て、間一髪で救出。

何とか高層階からの避難をと、オハラハンとダグを中心に、あの手この手が試される。

唯一の避難経路だった、壁面外部を使って昇降するエレベーターでの昇降も、

停電で止まってしまう。最後に一度だけ、ブレーキをかけながらの下降は可能・・・

リゾレットが、エレベーターに乗る中の一人に。後できっと会える。 





万策尽きたかの中、屋上の巨大水槽を爆破することで、鎮火させるという最終手段決行。

激しい水流で流されゆく人々も。かろうじて生き残り、地に降りたハーリー。

リゾレットを捜し歩き、保安主任から声をかけられ、エレベーターの硝子が割れ、

リゾレットが転落死したことを知らされる。 



保安主任が、残留者がいないか確かめて回った時に救出した、

リゾレットの飼い猫が、ハーリーの腕の中に残される。 





さっきまで生きて、会話していたリゾレットが抱いていた猫だけが腕の中に。 





アメリカ海軍のヘリによる、屋上からの救助、隣のビルへ渡したワイヤーを使っての、

救命籠での脱出、様々な試みがなされる。

差し迫った中、会話は、電話で。この風景が、あの時代です。今なら携帯。 



消防隊による消火で間に合うだろうという、ビルのオーナー、ジェームズ・ダンカンの判断も、

救出を困難にする原因となる。演じるはWilliam Holden(ウィリアム・ホールデン)様。

不祥事を表ざたにするには、あまりに大物が大勢パーティーに招かれていたから。

その一人、上院議員にRobert Vaughn(ロバート・ヴォーン)様。

この御仁は、「華麗なるペテン師たち」でのご活躍も記憶に新しい☆  





この火事を、いち早く察知する保安係主任に・・・O J Simpson(O・J・シンプソン)・・・

この方、「カサンドラクロス」でも、いい役だった。  

いかにスポーツ選手が愛され、英雄視されているか、よく解る配役。   






あまつさえ、リゾレットのにゃんこさんまで救出。

この人が、あんな事件の容疑者となり、逃亡でパトカーと、リアルカーチェイスをしたり、

ラスベガスのホテルで強盗事件を起こしたりすることになるとは・・・



はっきり、一番悪い人役?ビル・オーナーの娘婿で、建築費ちょろまかしに、

設計とは違う電気工事をしていた上、隣のビルへの避難籠に無理やり乗ろうとして、

リフトを壊して落下する、ロジャー役に、Richard Chamberlain(リチャード・チェンバレン)様。

何と、「華麗なるペテン師たち」に一話ご出演。上院議員とご共演に? 




オーナー・義父が、皆さん全員が避難するまで私たちは残ると言ったのに、

お客様を押しのけて逃げようとする、馬鹿婿。迷惑過ぎる。  




本当に火の力は恐ろしい。

やっとの落成式を迎えて、ほっとして、秘書との情事で寛ぐ広報部長、ダン。

何も知らず、二人孤立している間に、部屋の外は既に火の海となっている悲劇。

演じるは、Robert Wagner(ロバート・ワグナー)様。この方も、O.Jシンプソンと同じく、

妻ナタリー・ウッド様の死に疑惑が残る方・・・ 

最近、何かの作品のご出演紹介に、それぞれのキャストに一作、出演作が書かれている中、

「オースティン・パワーズ:デラックス」か何かが書かれてて、いや、オースティン、

何気に好きなんですけどね、この方にも色々な御出演作がある中、これ!?でした。





命がけで、救助を求めに行こうとするものの、結局、人知れず、二人ともが命を落とすことに。




この時期のホールデン様を拝見すると、「オーメン2」のダミアンを引き取ってえらい目にあう、

実業家の役を思い出すなあ。その二作の間には、ビリー・ワイルダー監督の「悲愁」にも。

ご活躍が続いていらしたのに、たった63歳で、アルコール依存による泥酔で、 

階段を落ち、出血死される悲劇で亡くなられるとは、思ってもいなかったお方。

亡くなられたのち、長年の友人、バーバラ・スタンウィック様がアカデミー特別賞受賞時、

ホールデン様への愛のこもったメッセージを述べられたことは、スタンウィック様の記事で。

バーバラ・スタンウィック様  ← 泣きます・・・。でも、こんな友を持てた事は幸せだと思います。




来賓中の大来賓、上院議員。皆の避難に力を貸す中、姑息に逃げようとした、

オーナーの馬鹿婿を止めようとして、突き落とされる!   

リチャード・チェンバレン様、王子様役なんかされちゃったり、好男子役多かった気がする?

ここでは、徹底して、最低男役に徹しておられます。

追い詰められた時、人の本性は出るものでしょう。しかし、この婿は、登場地点から最低役。



ちょっと、ヒロインは書かないわけ?と叱られそう。

ビルの落成を終え、田舎に引っ越したい設計士の引っ越したくない妻スーザン。

演じるは、Faye Dunaway(フェイ・ダナウェイ)様。ゴージャス。 




火災の中、本当に大切なものが見えて来る夫婦。



やはり、このキャスティングで想い出すのは「The Thomas Crown Affair(華麗なる賭け)」。

おフェイ様の尖がり感は、ソフトなイメージのポール・ニューマン様より、

エッジの効いたマックイーン様の方がお似合かな。 



全力で火事に立ち向かった者同志。オハラハンの高層ビルを人の奢りとの警告。

高く、高くというのは、バベルの塔から変わらないのかもしれないですね・・・

毎日、高い場所で働くと、揺れで体調を崩すみどりには、縁のない場所。

?「高み」と縁がないってことかあ・・・ 


撮影場面と、メインキャストの、皆さん元気なお姿が嬉しい、集合写真。 








やはり、中央は、アステア様とジョーンズ様で決まりでしょう? 

下の並びバージョンも珍しくていいですが。 冒頭で書いた、パニック映画三作。

どれも、登場人物が描ききられているから、心に残っている三作です。

あ、あと、流行の火付け役「ポセイドン・アドベンチャー」か。


おまけ:あの頃・・・レイバン型ですね~。アステア様までサングラス姿ご披露☆






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