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時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

「あ~あ、あ~っ」


「め」の難産に比べ、男女お二方とも、

さらっとお名前が頭に浮かんで、

そのまま、まとまった、嬉しい「も」。



Maureen O'Sullivan(モーリン・オサリヴァン)様、

1911年5月17日~1998年6月23日、享年87歳。
どうして、お名前が一番に浮かんだのか
解らない。

浮かんでよかった。勉強になりました。





アイルランドご出身で、ダブリン、ロンドン、パリで教育を受け、

さらっと、ハリウッドへ。

Maureen O'Sullivan


そして、するすると、  

1932年、ジョニー・ワイズミュラー主演、

「類猿人ターザン」のジェーン役に抜擢。





「ターザン」=「あ~ああ~っ」の掛け声とともに、

ジェーンを救いに行く、というイメージはあるものの、

あれれ?実際に映画は観てないんですね。

こうしてスナップを拝見すると、親子それぞれに、

違った面で楽しめる娯楽大作のような???

健全だけど、案外色っぽいわ。


1934年、W. S. Van Dyke(W・S・ヴァン・ダイク)監督作品、

大大大好きな映画、「The Thin Man(影なき男)」

この作品にもご出演されておられました。

消えたお父様を探すお嬢の役かしら。  


The Thin Man


うわあ、撮影時のスナップ!

向かって左端がモーリン様。

こんなに小さくても、マーナ・ロイ様、すぐわかる!

くしゅっとしたコケティッシュなお顔。



お年を召されても、お綺麗・・・なんて思ってたら、

それどころじゃなかった。



Mia Farrow(ミア・ファロー)様のママでらした! 

ローズマリーの赤ちゃんのおばあちゃま!?

びっくりした。






ひゃあああ、ジャングルのジェーンは、

大変、都会的なママでらっしゃったのでした。




男性は、Maurice Ronet(モーリス・ロネ)様

1927年4月13日~1983年3月14日、享年55歳。

↑↓ 水に入る「使用前後」



御髪が薄めでも、潔くかっこいい。 

この方は、とにかく都会的で「潔い」イメージ。



あ、このお写真は、そういうイメージでかぶる、

マイケル・ケイン様に似ておられる?


1958年、Louis Malle(ルイ・マル)監督作品、

「Ascenseur pour l'échafaud  

(死刑台のエレベーター)」

Miles Davis(マイルス・デイヴィス)のトランペットと、

ジャンヌ・モロー様の電話の、恐ろしい愛の囁き。



Louis Malle


全く、朗らかさと縁がない作品の撮影現場スナップ。

ジャンヌ・モロー様のバースディだったのかしら?

鬼火


1963年、同じくルイ・マル監督作品、「Le Feu follet(鬼火)」 




インテリ~な役でらっしゃったな。

ちょっと、嫌味な雰囲気を出されるのも、上手いっ!

↓ のフィリップ役もそうだった。


1960年、René Clément(ルネ・クレマン)監督作品、

「Plein soleil(太陽がいっぱい)」

Alain Delon(アラン・ドロン)様に、役を取られた上に、

殺される方のフィリップ役交代。 





よく、トム役を取られて、ご出演されたなあと思う。

しかし、トム役がロネ様でも、

そして、フィリップ役がドロン様でも、

後世に残る名作にはならなかったでしょう。 


今回、記事を書くにあたり、この場面の写真を、

探した探した。本当は、フィリップの手の写真が欲しかった。

淀川先生が、この死体の手は、ドロン様と結ばれている、

「ホモ」の暗示ですよ、とおっしゃった、名死体場面。  


確固たる俳優としての立場でありつつ、

再び、ドロン様と共演され、またしても殺されてあげる、

ロネ様も懐の広さ。惚れます。

1969年、ジャック・ドレー監督作品、

La piscine(太陽が知っている)」

今年の年明け一作目に拝見してしまった作品。

元旦に観る映画じゃないですねえ。 



この映画について、淀川先生は、

どのように解釈されていらしたのでしょうか。


ロネ様の娘役でご出演のジェーン・バーキン様が、

まだ少女で、嫌味が無くてよかったです。 


いやもう、ヒロイン役の豪華な事。

夫殺害をそそのかす人妻、 

Jeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)様。



彼氏を殺されたとも知らず、

ドロン様に口説き落されてしまうマルジュ役、

Marie Laforêt(マリー・ラフォレ)様。


Romy Schneider(ロミー・シュナイダー)様。

ドロン様ともですが、ロネ様、ロミー様とのご共演、

ミシェル・ピコリ様ほどではないにしても、多い。


「太陽がいっぱい」ののっけに、ちらっと特別出演のロミー様。

フィルムで拝見すると、ドロン様に向けた瞳が、

「めろめろ」丸出しで、胸が痛むワンカットです。

Qui?


1970年「Qui?(どしゃ降り)」で、

前年「太陽が知っている」に続いてご共演。


1977年、Terence Young(テレンス・ヤング)監督作品、

Bloodline(華麗なる相続人)」も、夫婦役でご共演。

当ブログでは珍しく、Audrey Hepburn

(オードリー・ヘップバーン)様、続けてご登場。

この映画の、吉永さゆり様的、主演ポジション。

オードリー様を中心に、名優が続々。の割に駄作?






「どうよ、このおばさん、まだ綺麗?」と、

荒れていらしたと言われる、ロミー様。

お美しさが哀しくなります。

ロネ様も、ロミー様も、老け役を演じる前に、

天に召されてしまわれた。

お二人とも、老いても素晴らしい役者で、

あり続けられたことと思います。